こちらこそ ページ18
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「…うまいな」
ごくんごくんごくん、と3口ほどやろか、
飲み終えた宮は静かにそう言った。
「・・・でもパフェ要素どこいったん!?!!?」
…いやうそ、訂正。静かとちゃうかったわ。
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確かに無かったけど!パフェ要素無しで良かったやん!?―と言えば、
「いや欲しかったわ〜!わーいお茶買った意味!」と。 わーいお茶はなんも悪ないやん…!?
「まずかったときのお口直し用に買ってたん?」
何の責任もないわーいお茶を指さして聞けば。
「そやで。でも直す必要無くなったから、Aにやるわ」
ほら、と言われ片手に持っていたペットボトルのフタと引きかえに、わーいお茶を持たされた。
「ほな帰ろか」
「えっ、まって、お茶なんぼやった?」
すたすたと、歩き始めていた宮の背中に向かって声をかける。割り勘すらしてへんし。
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「ええよそんなん」
ひらひら手を振る宮に追いついて(と言ってもそんな距離開いてたわけとちゃうけど)、
「あかんよ」
止めれば、
一瞬の考え事。
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「じゃあ…せやな、今日のお礼や」
忙しいのにコンビニついてきてくれたお礼。「な?」
・・とかそんなん、
私が行きたくて来ただけやし、
ピザまんやら新しいジュースの開拓やら、私が宮にお礼せなあかんのにな、とは思ったけれど、宮の「な?」に押されて、私はわーいお茶を受け取った。
「宮、ありがとう」
「おー」
早足や。 と、ふと思った。
私やって歩くん、そんなに遅ないはずやのに。
夕方の風が肌に当たって心地いい。
少し目を瞑れば感じられる、ひんやりとまではいかない冷たさが私を包む。
青春の味、青春の定義なんかは知らんけど、こういうのなんちゃうかな、ってふと思った。
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作者名:沖司ハナ | 作成日時:2018年5月27日 23時