40センチの恋

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とうとう身体測定がやってきてしまった。
新品の体操服に着替えて(Sサイズだけど大きくて裾上げ大変だった…)先生に呼ばれるまで教室で待機だ。


「かなちゃん…。私身長伸びてるかな…？目立つしやだなぁ。」


遠「きっと伸びてるよ！高校でも伸びる人沢山居るし！」


「だといいなぁ…。」


話してると岩本先生がドアから顔を出して移動だと知らせに来た。
そしてやっぱり私が先頭。
ため息をついてると岩本先生が歩きながら話しかけてきた。


岩「どうした？ため息なんてついて。」


「身長伸びてなかったらと思って…。あと目立つのがちょっと…。」


岩「あー、宇佐美にとっては重大イベントだな。流石に10cmは無理でも成長期だし1.2cmは伸びてると思うぞ？
あと、小さいの気にしてるかもしれんが俺は可愛いと思うけどなぁ…。」


「ありがとうございます…？」


岩本先生にとってはほとんどの女子が小さいと思うけどな？


体育館に着くと男子から先に身長体重を測るらしい。
身長が伸びて喜んでる人達を見ていると目黒くんの番になって女子達は聞き耳を立てている。


先生「目黒185cm」


女子「185だって！！ヤバくない？！」


女子達はキャーキャー騒いでいるが、私は5cmでいいからくれないかな？と考えていた。
目黒くんは特に喜ぶでもなく無表情で列に戻っていった。
その後の向井くんは伸びたみたいで凄いテンション高く目黒君に報告していた。


先生「次、女子やるよ！順番に来て。」


ついに来てしまった。伸びてますようにと背筋をピンと伸ばす。


先生「宇佐美145cm。」


男子「ちっさ！」


男子「145とか俺小学生の頃の身長だわ！」


先生、身長そんな大きな声で言わないで欲しいのに…。
中学時代を思い出して手をぎゅっと握った。


男子「あはは！目黒と並んだら親子じゃん！目黒もそう思わん？」


男子は笑いながら目黒くんに話しかけた。
聞きたくないのに近くだから聞こえてしまう。


目「身長低いからって別に面白くないし。宇佐美さんに失礼。」


向「せやなー！見た目笑うのは男ちゃうよ？」


思わず私は俯いた。
庇ってくれたのが嬉しくて涙が出そうになってしまった。
今までそんなこと言ってくれる人は居なくて。
頑張って涙を引っ込めて顔を上げると目黒くんと目が合った
。
私は口パクでありがとうと言うと目黒くんはニッと笑って向井くんにも教えると向井くんもこっちを向いて笑顔で手を振ってくれた。

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