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苦熱だった残暑も落ち着き、過ごしやすい日々が続き始めるとそろそろやって来るのは一番快適な秋の季節。青々としていた緑は少しずつ秋の色へと移り始め、あんなにも喧しいと思っていた蝉の声も来年まで見納めだと思うと物寂しさすら感じる。
毎日通っている学校前の長い坂道を登る最中。日向くんから猫耳メイド服の写真をもらったらしい飛雄が「日向には見せるのに、俺には嫌なのかよ」とかなり拗らせたことを言い出した。人によっては”面倒くさい”と思うようなことでも、私にとったら大好きな彼氏の可愛い我儘でしかない。
このまま唇を尖らせて臍を曲げている姿を見ていたい気もするけど、部活中に日向くんに当たられても困るからどうにかご機嫌を戻しておかないと。
『ねぇ飛雄』
「・・・なんだよ」
『ちゅーしたら機嫌直してくれる？』
「直す」
『即決かい』
この提案に肩を跳ねさせた飛雄がその場に立ち止まる。遅れて歩みを止めれば、食い気味に条件を呑み込んでくるのがおかしくて口端が綻んだ。
＿＿＿単純で己に素直なのが飛雄らしいな。
向き合って見上げると、いつもみたいに大きくて繊細な手が優しく頬を撫で付ける。傾けた端正な顔がゆっくり距離を詰めたと思ったら、触れ合う手前でその動きを止めた。まさか寸前で止められるとは思わなくて至近距離のまま瞬かせれば、妖しく口角を持ち上げた飛雄がここにきてお強請りをしてくる。
「Aからしろよ」
『えっ？！』
「ほら、早くしないと誰か来るぞ」
厭らしく唇をなぞり、欲を刺激してくる。いつの間にこんなことが出来るようになったのだろうか。私を見下ろしながら嬉しそうに微笑むその表情はまさにサディスティックを象っていた。
───・・・悔しい。こんな状況下でもどうしようもなく格好良い彼にずっと胸が高鳴ってしまっているんだから。
ご機嫌取りなキスのはずなのに、いつの間にか立場が逆転して私が飛雄を欲しいと思ってしまっていた。上手く翻弄されていることが悔しくて、背伸びをして触れるだけのキスをする。
『ッはい、おしまい！』
ほんの一瞬だけ触れ合った唇からすぐに離れる。逃げるように鼻先を背ければ、それを阻止するように伸びてきた腕が逃げ出す私の手首を掴む。
肩を押されて後方へよろけると背中にフェンスが当たった。ガシャンとそれが軋む音を立てた直後、掴まれていた手が顔の横で縫い付けられる。
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惠音(プロフ) - kazo62さん» 永遠にならないようなるべく頑張ります....！笑。楽しみにしてくださってると思うとやる気もメキメキ湧きますので！ご期待に応えられるよう励みますので、これからもよろしくお願い致します！ (8月9日 17時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
kazo62(プロフ) - 惠音さん» ああああ本当ですか！是非よろしくお願いしますっっ永遠に待ちます！惠音様のペースで全然大丈夫ですので！これからも応援しています！頑張って下さい！ (8月7日 7時) (レス) id: b69daefb3c (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - kazo62さん» ドキドキして頂けて光栄です！月島くんのお話しもずっと書きたいと思っていたので！月島くん素敵ですよね！！まだ先にはなってしまうかもしれませんが気長に待ってくださると嬉しいです....！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - コパンダさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！キュンキュンしてもらえて嬉しいです....！完結までもうしばらく続きますので楽しんでもらえたら幸いです〜！！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - あもんさん» 無事に6章も終わりました！甘々を堪能頂けたでしょうか....？！7章も甘々なので引き続き読んでもらえたら幸いです！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年5月27日 19時
