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落ちてしまった日焼け止めを塗り直して砂浜へ戻ると、部員達は再びビーチバレーに心血を注いでいた。ご機嫌な様子でビニール製の軽いボールを上げる姿を視界に入れては、”やっぱりバレーボールには敵わないな”と慈愛めいた笑みが零れ落ちる。
───・・・ほんと、楽しそうな顔しちゃってさ。あんなに夢中になれるものがあるなんて、ちょっと羨ましいな。
移動させた視点の先にある大きめなパラソル。その下で退屈そうに膝を抱えて座り込む彼以外は、この現実離れした空間を心から満喫しているように見えた。
『月島くんバレーやらないの？』
「・・・僕はあの人達みたいに体力馬鹿じゃないんで」
『返答が如何にも月島くんて感じだね』
「何それ、馬鹿にしてる？」
『あははっ、まさか』
ぼんやりと景色を眺めているその隣に腰を下ろせば、普段通りの抑揚ない声色が皮肉を混ぜた文字を綴る。
常日頃から無気力な月島くんが海に来たからと言ってテンションが上がるなんて思っていないけど、せっかくの息抜きなんだからもう少し有意義に過ごしてもいいのに。視線の先で天真爛漫な笑顔を弾けさせている日向くんと同じ年齢だとはとても思えないよ。
照り付ける日差しが遮断された下で二人して膝を抱える。流れていく沈黙はこの空間に響く雑音のせいか、やけに居心地良く感じた。
「王様のとこ、行かなくていいの」
『ご覧の通り、只今バレーしか眼中にないので』
「自由奔放な王様に放置されてるんだ、可哀想」
『いいんだよ、別に。私はああやって大好きなバレーを全力でやってる姿が好きだから』
「私とバレー、どっちが大事なの？」なんて愚問を口にするつもりは更々ないし、そのふたつを天秤に掛けてしまうこと自体が間違っているのだ。
彼はバレーボールが大好きで、私はバレーボールが大好きな飛雄が大好きだから。【バレーボール=影山飛雄】の人生を、こうして一番近くで胸に刻み付けて隣で支えてあげられる至福に不満なんかあるものか。
紡がれた台詞に目を丸くした月島くんは、間を置かずに見慣れた冷徹さを取り繕うと満足気にボールを弄る飛雄に視線を送った。
「・・・やっぱり変な人だね、君って」
素っ気無く放たれたそれは私の鼓膜を叩くことなく、賑わう音声と漂う波の音に撹拌し薄れていった。
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惠音(プロフ) - kazo62さん» 永遠にならないようなるべく頑張ります....！笑。楽しみにしてくださってると思うとやる気もメキメキ湧きますので！ご期待に応えられるよう励みますので、これからもよろしくお願い致します！ (8月9日 17時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
kazo62(プロフ) - 惠音さん» ああああ本当ですか！是非よろしくお願いしますっっ永遠に待ちます！惠音様のペースで全然大丈夫ですので！これからも応援しています！頑張って下さい！ (8月7日 7時) (レス) id: b69daefb3c (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - kazo62さん» ドキドキして頂けて光栄です！月島くんのお話しもずっと書きたいと思っていたので！月島くん素敵ですよね！！まだ先にはなってしまうかもしれませんが気長に待ってくださると嬉しいです....！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - コパンダさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！キュンキュンしてもらえて嬉しいです....！完結までもうしばらく続きますので楽しんでもらえたら幸いです〜！！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - あもんさん» 無事に6章も終わりました！甘々を堪能頂けたでしょうか....？！7章も甘々なので引き続き読んでもらえたら幸いです！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年5月27日 19時
