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私の中にあった月島くんのイメージはこんなにも甘いものだっただろうか。貼り付けられた笑顔で嘲笑うのが当たり前だったはずなのに、いつの間にかこうしてときめきを与えられるようになっている。それを揶揄だと理解しつつも、少女漫画脳な私はいちいち真面目に捉えてしまうから妙な気分に襲われる。だってあの月島くんが、本当に王子様みたいなことをしてくるんだもの。出会った当初からは想像も出来ない。
以前よりもグッと近い距離で、月島くんとの関係が上手く築けているのは明白だ。たまに見せるこの甘い空気は未だになんだかドキマギしてしまうけれど。
満足気に微笑んでみせる月島くんから視線を外すと凛とした声が私達の耳朶を打つ。柔く握られた指先はそっと温もりを失い、途端に複雑な色を滲ませるレンズ越しの瞳に疑問が残る。
「A、そろそろバス乗るぞ」
『あ、うん！じゃあ月島くん・・・、」
少し先から飛雄の催促が飛んでくる。それに軽い返事を投げてから再度視線を持ち上げると、眉間に深い皺を刻む月島くんが真っ直ぐに飛雄を見据えていた。
いつも見ている慣れた光景。それなのにどこか違和感を纏っている張り詰めた空気に、言葉の先を紡げなくなってしまった。
向けられる鋭さに気が付いた飛雄が私から月島くんへ視点を変え、より一層の険しさを端正な面貌に刻んでいく。触れられない緊張がその場に流れ、無言の圧が私の掌に妙な汗を滲ませる。
「なんだよ」
「別に。腹立つなと思っただけ」
「あ"？」
「・・・本当、腹立つ」
煽りをかける月島くんが長い睫毛を伏せる。揺れる金茶色が私を捉えると、「じゃあ」と抑揚ない声が吐き出された。どこか悲しげなその笑顔が目蓋に焼き付く。
───いつか、その理由を話してくれる日が来るだろうか。
踵を返す背中をしばらく見つめ、リュックを背負い直して飛雄の元へ駆け寄る。蒼い瞳が月島くんから私へ落とされると、嫌悪が漂うその表情に「飛雄？」と控え目に声をかけてみた。
「お前・・・、」
『なに？』
「・・・なんでもねぇ。バス乗んぞ」
一体何を言おうとしたのだろう。言い淀んだ唇がピッタリと横一文字に縫い付けられ、催促と共に繊細な指先が絡んでくる。いつもより少しだけ強く、決して離れないように、私の手をぎゅっと握り締める。
返事をすることも忘れたまま繋がれた掌をじっと見つめ、周りを気にしないその強引さにひとり胸を高鳴らせていた。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
