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待ち望んだ「可愛い」を連呼されるだけでこんなにも簡単に満たされてしまうのだからどうしようもない。たったこれだけで全てを帳消しに出来てしまうのだから。飛雄が可愛いと思ってくれるのなら、こうして愛を伝えてくれるのなら、「まぁいっか」と思えてしまう。──恋心とは、本当に単純なものだ。
不機嫌さなんて何処へやら。ぎゅうぎゅうと普段より強く抱き締められている私はあっという間に幸せに染まっていた。
「なんかいい匂いすんな」
『香水つけてきたから』
「化粧してる」
『普段も多少はしてるよ？』
「でも今日は、なんつーか・・・、」
そこで言葉を切ると、更に強く私を抱き締める。これ以上力を入れたら軋むんじゃないかと思うほど。何かを堪えるように私の首元へ擦り寄る飛雄に疑問が滲んだが、とりあえずその先を待ってみることにした。
「そろそろ苦しい」とひと言伝えようとした私より先に、耳元で低い声が響く。
「勉強会、本当にやんのか」
『え、なんで？』
「連絡入れときゃ、三人で適当にやるだろ」
予想外の発言に目を丸くする。どうして急にそんなことを言い出すのかと聞き返そうと思ったが、一番腑に落ちる理由がすぐに浮かんできた。どうせ勉強をしたくないとか、月島くんに教わるのが嫌だとか、そんな単純な理由だろう。如何にも飛雄らしい。しかし勉学を怠ったところで最終的に困るのは飛雄自身なのだ。ここは私も鬼にならなければ。
甘えた声に一瞬揺らいでしまったが、しかしすぐに気持ちを切り替える。全ては飛雄のためだ、嫌なのは重々承知だけど。
胸元を押し返して険しさを刻む。擦り寄る飛雄を思いきり抱き締めてあげたいのを堪えて、決め込んだ意見を押し通してやる。
『駄目だよ！約束したんだから』
「・・・そうだけど」
『せっかく月島くん達だって来てくれてるんだから。待たせたら悪いし、早く行くよ！』
呑み込むことを躊躇っている飛雄の手を引いて、半ば強引に駅まで歩み進める。休日のオフという魅惑の一日に、私の足取りは密かに軽やかであった。
＿＿＿ぐいぐいと手を引かれながら、蒼い瞳は対照的に困惑が滲んでいた。見慣れている小さな背中を見つめ、緩やかにその視線を落としていく。軋んだ心臓を堪えるように、繋がれた温もりを優しく握り返す。
「・・・だから嫌なんだよ」
賑わう雑音に掻き消された、複雑な想い。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
