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念願の台詞がなかなか降ってこないことに不貞腐れ始めた私は、同じく口元を尖らせる飛雄を置いてひとり先に歩き出してみる。拗ねていると分からせてやりたくて、自然と大股になってしまう。自分は何処までも面倒な女だと少しだけ虚しくなった。
飛雄が疎いのなんて昔から分かりきっていることだ。今更そこを求めるのはただの私の我儘でしかない。
＿＿＿それでもやっぱり、求めてしまう。大好きだから、飛雄の全部を私でいっぱいにして欲しい。「誰よりも可愛い」って、甘い台詞で満たされたいと願ってしまう。
数歩後ろを歩く飛雄は未だ複雑な表情をしていた。いつも包まれている右手に温もりがないことが寂しくて咄嗟にスカートを強く握った。こんなのは駄目だ、せっかく一緒に居られるのに。作りだした微妙な空気を自ら打ち切るべく、ピタリと歩みを止めて身体を向き合わせる。
『可愛いって言ってもらえないから不貞腐れてました。ごめんなさい』
「は」
『これでも一応、一生懸命頑張ったから・・・その、飛雄に可愛いって、思ってもらいたくて』
言葉に乗せながら、自分が如何に恥ずかしいことを言っているかを再確認する。それでも心の内にある想いを吐き出していく私は恥ずかしさで半ばヤケクソ状態だった。疎い飛雄のためにちゃんと顔を見て伝えようと思っていたのに、目を丸くした反応を見たら途端に羞恥に襲われた。きっと「何言い出してんだ」と思われたに違いない。
どうにか全てを伝え終えた私はスカートを強く握り締めながら唇を結んだ。返される反応が不安で、心臓がドキドキと速度を増していくのが分かる。
───ここまではっきり言えば、いくら飛雄とはいえ伝わってくれただろうか。むしろこれで伝わらないならもうやりようがない。
緊張で強ばる頬に繊細な指先が滑ると、額に口づけが落とされた。見上げた先で照れくさそうに歪む唇が、間を置かずして今度は頬へキスをする。愛おしさが堪えきれないような降り注ぐキスにくすぐったい幸せが広がっていく。
『飛雄、くすぐったい。道の真ん中で恥ずかしい』
「悪い、すげぇ可愛くてなんか・・・すげぇ可愛くてムズムズする」
『ふふっ、語彙下手だな』
「うるせぇ」
『ちゃんと可愛い？』
「・・・おう、可愛い」
傍から見たら恥ずかしいバカップルだろう。私を思いきり抱き締めながら語られる想いが不器用な飛雄らしくて。言葉足らずな、それでも愛されていると伝わる温もり。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
