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静まり返る体育館には私達二人だけが残された。壁を背にして隣同士に座ると早々に触り心地の良いカチューシャを取り出してみる。もう高鳴りが抑えきれない。
私のお強請りを渋々受け入れた飛雄は「Aだけにならいい。他の奴らに見られるのは嫌だ」という条件付きでようやく頷いてくれた。もふもふな耳と尻尾をつけているところを見られたくないのはおそらく日向くんと月島くんに対してなんだろうけど。きっと高すぎるプライドがそれを許さないのだろう。事情を説明して気を利かせてくれた部員達が足早に体育館を出ていき、こうして待望の瞬間が訪れた訳だ。
膝を着いて、漆黒な頭にそれを装着する。どちらも艶のある黒だからだろう、境界線が曖昧になるほど違和感がない。まるで戴冠式かのように見えるこの光景に派手なファンファーレを鳴らしたくなるが、頭に乗せたのが王冠ではなく獣耳なせいで一気にシュール感が増す。
期待に胸膨らませ、再び真正面から飛雄を捉えるとあまりの衝撃にゴクリと唾を飲み込んだ。
『ッ、可愛っ・・・！』
「お前顔がすげぇ気持ち悪ぃぞ」
『どうしよう、可愛すぎて鼻血出ちゃう』
「出すな」
やはり私は正しかった。”飛雄は獣耳が似合う”という揺るがない確信があったのだ。顔のパーツや猫のように吊り上がった切れ長な双眸から、絶対に猫耳一択だと思っていたが。狼も全然あり。むしろ馴染みすぎているくらい馴染んでる。
私の崩壊した表情筋を目の前に飛雄が完全に引いているが、これはもう仕方がない。可愛すぎる飛雄が原因でこうなっている訳だから目をつぶってくれ。
この瞬間のためにわざわざ取りに戻ったケータイに、可愛らしい狼が何枚も追加されていく。気恥しさを滲ませるその表情がまた堪らなく可愛くてニヤケが止まらない。こんな可愛い狼は逆に食べてしまいたくなる。
＿＿＿もうハロウィンなんてどうでも良くなってきた。きっと私は毎年この日を”影山飛雄が獣耳をつけた日”として記録するだろう。
『一緒に撮ろう！狼さん！』
「ノリノリじゃねぇか」
『はい、撮るよー！』
ピッタリと肩をくっつけて画面に映る赤ずきんと狼がなんだかちょっと可笑しくて。あんなに嫌がっていたくせにその格好に慣れてきている飛雄が可愛くて。
機嫌が良さそうなタイミングを見計らって尻尾もつけて欲しいとお願いしたら渋々従ってくれた。想像以上の完成度に、シャッターを切る手が止まらない。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
