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険しい色を滲ませる私を見て察したのか、薄い唇を歪ませた飛雄が先程から妙な汗をかいている。きっと「マズイ、機嫌を損ねさせてしまった」とでも考えているのだろう。──大正解だ。
彼女がいるくせにモテてんじゃないよ。こればかりは飛雄に言ったってどうしようもないけれど、複雑なこの感情を当てる場所が他にないんだから大目に見て欲しい。
眉根を寄せる私から逃げるように伏せた視線はバツが悪そうに彷徨っている。恐る恐る開封した手紙に目を走らせると、それをそのまま私の鼻先へと突き出してきた。綴られた文字をこれ見よがしにとでも言いたげな眼差しで。
この手紙を書いた本人に申し訳なさが滲みながらも素早く目を通せば本当にただのファンレターだった。”好き”やら”愛してる”なんて浮ついた文字はひとつもなくて、その清々しいほど色気のない文章が私に平常心を運んでくる。張り詰めていた糸が切れたかのように、強ばる身体と表情筋が面白いくらいに緩んでいく。
「安心したか」
『・・・しました』
「こんなん貰ったところで俺が揺らぐわけねぇだろ」
『すみません、ヤキモチを妬きました』
「知ってる。すげぇ顔怖かったし。いつ殴られるかとヒヤヒヤしてた」
穏やかになっていく私の顔付きに、目の前で安堵が零れ落ちた。やれやれと肩を落とした飛雄の唇が撫で付けた焦燥を訴えている。暴走してしまった感情に今更ながら恐縮至極な思いが湧いて、細められた蒼い双眸を見つめ返すことが出来ない。
───・・・私、もしかしたら飛雄よりも愛の重い面倒くさい人間になっているかもしれない。
自分以外の女がその瞳に映ることすら嫌で、自分以外の女で頭を悩ませる姿に浅ましいほどの嫌悪感を抱いてしまうんだから。想いが募るほど垣間見えてくる自身の醜さに乾いた笑いが出そうだった。
嘆息した私へ視線を流した飛雄が、読んだばかりの手紙を封筒へ戻して再び差し出してくる。
「
『えっ、なんで？せっかく飛雄宛に書いてくれたのに。女の子泣くよ？』
「
『は・・・、』
「言っとくけど、俺はお前が思ってるほど優しくねぇぞ。Aさえいれば、他の女なんてどうでもいい」
ふつふつと湧いた不安を一瞬にして晴らしてしまうような凛とした言葉。揺蕩う奥底に、淡い光がさす気がした。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
