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部活終了後。息を切らした飛雄を見つめながら、肩に掛けた鞄の持ち手を強く握る。普段通りの光景に少しだけ愛想笑いを返してしまうのは、目の前にいる大好きな彼氏にヤキモチを妬いているからだろうか。
押し隠せない嫉妬心と醜い感情がじんわりと滲むと、力なく下ろされていた右手が温もりに包まれる。その優しい温もりは自分だけに許された特権であると分かっているはずなのに、どうして私はいつも劣等感を感じてしまうのだろう。
黙り込んで見慣れた景色を目でなぞる私の頭上から、疑問を滲ませる声。やや間を置いて見上げると、訝しげに眉根を寄せた飛雄が蒼い瞳を寄越した。
「どうした」
『ん？』
「なんかあったろ」
『えー、なんで？』
「・・・言いたくねぇなら訊かないけど、そうやって無理に笑うのやめろよ。お前の悪い癖だぞ」
諦念を孕んだ声音には僅かな苛立ちが含まれていた。再び正面へと送られた視線に小さく喉を鳴らすと、変わらず一番の理解者でいてくれていることに口端が緩んでしまう。
＿＿＿どれだけ平然を装っても飛雄には必ずバレてしまう。隠し事なんてできっこないのだ、ずっと昔から。
こんなどうでもいいようなことが堪らなく嬉しくて、ほんの一握りの違和感を掬いとって気が付いてくれる優しさに溺れてしまいたくなる。心の中にある醜い感情を蹴散らしてくれるのはいつだって飛雄しかいないから。
”敵わないなぁ”と思いながら小さく嘆息をすると、躊躇い続けた例のファンレターとやらを鞄から取り出してみる。渡したくないというのが本音だが、やはりこのままなかったことにするのは気が引ける。間を置いて歩みを止めた飛雄の胸元へ軽く押し付けると露骨な皺を眉間に刻んでみせた。
『飛雄にファンレターだって、女の子から』
「は？ファンレター？」
『そう、女の子から』
「・・・その部分すげぇ強調すんな」
『読んで。今ここで』
「ここでかよ」
『そう』
苛立ちが表れる私に、気まずげな視線が流される。ヤキモチを妬いているのだと分からせてやりたくて、わざとらしく強気な言い回しをしてみた。
自分でも嫌な彼女だと思う。面倒くさいと思う。だけどやっぱり嫌なものは嫌だし、ムカつくし、ここで感情を押し殺して笑顔でいられるほど私はまだ大人になれない。そして大人ぶった演技をしたところで、結局飛雄にはバレてしまうだろうから。だからありのまま、嘘偽りない私の複雑な想いをぶつけてやる。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
