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(影山side)
挨拶と共に部室の扉を開ければ、つい先程まで騒がしかった空間が一瞬にして静まり返る。撫で付けた”嫌な予感”に唾を飲み込むと、その場に居た先輩達が吊り上げた口端で悪戯心を滲ませた。
＿＿＿絶対に冷やかされる。漂い始めた空気を察しながらも敢えて気付かないフリをして、足早に自身のロッカーへ歩み進めていく。とにかく目線を合わせないようにとこの期に及んで抵抗する俺の肩に、”ちょっと待て”と言いたげな田中さんが手を置いた。
呆気なく砕け散ったささやかな抵抗。嘆きに落ちた頭を緩やかに持ち上げれば、好奇心に満ち溢れた先輩達が逃げ場を寸断するように周りを囲んでいた。
田中「さて、聞かせてもらおうか影山。昨日は愛する彼女のバースデーをどう過ごしたんだね」
菅原「皆で予想しながら影山のこと待ってたんだぞ！」
影山「いや、どんなって言われても・・・別に普通ですよ」
田中「その”普通”の部分が細かく聞きたいんだよ！」
西谷「何をしたんだ！何を！正直に言え！」
この人達は部活前に一体なにをやってんだ。
揃いも揃って昨晩のことを聞き出そうとする部員に小さく嘆息し、構わず制服を脱いでいく。興奮気味にキラキラと瞳を輝かせる先輩達の顔には”勿体ぶってないで早く話せよ”と書かれているのが一目瞭然だった。
＿＿＿これはもう話をしないと埒が明かないな。
毎回繰り返される展開は、一番手っ取り早くこの場を終わらせる方法をすぐに手繰り寄せた。思考を切り替えて自身のロッカーを閉めると、記憶に新しい昨晩の出来事を端的に説明していく。余計な話はしないように気を付けながら。
影山「家でケーキ食べてプレゼント渡しました」
日向「うわっ、影山がリア充だー！」
西谷「イチャイチャしてんじゃねぇ！」
田中「だぁぁあーー！腹立つ！一発殴らせろ！」
菅原「せっかくのイケメン顔に傷が出来たらAちゃんが悲しむだろ田中！代わりに俺が腹パンしてやる」
影山「・・・聞いたのそっちですよね」
散々要求してきたくせに、話を聞いた途端に掌返しで責め立てられた。先輩達が尋常ではない圧で凄んでくる。爽やかな笑顔で狂気じみたことを言っている菅原さんが俺の両肩を力任せに掴むと、「こら止めなさいスガ！」とキャプテンがすかさず引き剥がす。
穏やかな賑わいをみせていた部室内は、先程とは全く違う異様な空気に包まれていた。
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惠音(プロフ) - mbftmmさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます！独特な書き方をどう感じてもらえるか不安だったんですけど、そう言っていただけて本当に嬉しいです....！まだまだ物語は続きますので、最後までお付き合い頂けると幸いです！！ (10月12日 10時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - yokyo586さん» 励みのお言葉ありがとうございます！影山くんとのお話だけど、月島くんの良さを出来る限り表現していきたいと思いまして....！幸せだけじゃなくて切なくて辛い感じとか、リアルな恋愛を書くよう心掛けていますので....そのへんも楽しんで頂けたら幸いです！ (10月12日 10時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
mbftmm(プロフ) - 主様は天才ですか？天才ですね？きゅん死寸前です……言葉の綴り方も上手で世界に入り込んでしまう…！！！応援してます！！！！！！ (10月12日 0時) (レス) @page11 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
yokyo586(プロフ) - 切ない···影山大好きなのに、月島を応援したくなっちゃう···読み手の心を鷲掴みに出来る作者様すごすぎます！キャラの心情や背景がすっごく分かりやすくてスっと物語に入れちゃいます！ (10月9日 21時) (レス) @page11 id: 1b6531e2bb (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - まゆ華さん» この作品を見つけてくださってありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しいです....！これからも楽しんでもらえるように頑張りますので、よろしくお願いします！ (10月4日 20時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年9月30日 19時
