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「六人で強い方が強い」
『え・・・、』
「だから、
＿＿＿零れ落ちた想いに、胸が締め付けられる。仲間を瞳に映すその表情が、泣きたくなるくらい優しかったから。
挫折と孤独を経験してきた彼にとって、その答えに辿り着くまで多くの葛藤や戸惑いがあったことだろう。それでも自分自身を変えるために、拭えない過去を上書きするように、通り過ぎた全てを受け入れてただ真っ直ぐに進んできた。
＿＿＿ときには衝突して、
それでも歩み寄ろうと歩幅を合わせて。
そうしていまこの瞬間まで努力を重ねてきたこと、
隣で見ていた私が一番よく知っている。
「へいへい影山くん」
「あ？」
「もしかして大王様にビビっちゃってるんですか？」
「・・・まぁ、及川さんは強いからな」
ボールを抱えた日向くんが茶々を入れに割り込む。普段と変わらない光景に口端を綻ばせながら、繰り広げられる会話を黙って見守ってみることにした。
日向くんが気を利かせて飛雄に絡んでいるなんてことはないと思うけど、普段通りである光景が張り詰めた空気を和らげているのは間違いないだろう。そう考えるとやっぱり日向くんの存在は凄いと思う。
脳裏を掠める及川先輩に一瞬目を細めた飛雄が、伏せていた目蓋を持ち上げて真っ直ぐに日向くんを見据える。
「でも、このチームなら勝てる。そうだろ」
その力強い言葉に、日向くんの双眸に光が灯る。嬉しさを滲ませた口元が大きく綻ぶと「おう！」と弾んだ声音がその場に響く。再び始まったくだらない言い合いを聞きながら、込み上げてくる涙をグッと堪えていた。
＿＿＿飛雄をここまで大きく変えたのは、間違いなく日向くんの存在があったからだろう。
ただひたすらにバレーボールが大好きで、強くなりたいと必死に藻掻いて、ぶつかって倒れても這い上がる貪欲な日向くんの姿勢が飛雄の中にあった本能を揺さぶったのだ。
仲間であり、ライバルであり、
互いを刺激しながら成長していく関係性。
仲間からの【信頼】をようやく知ることが出来た今の飛雄なら、きっともうどんな壁に直面しても乗り越えていける。彼はもう、独りではないのだから。
「A、そろそろ行くぞ」
『うん！』
強く、頼もしく成長したその背中を追い掛ける。
飛雄の周りを囲むチームメイト達に目を走らせ、”彼は本当に
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惠音(プロフ) - mbftmmさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます！独特な書き方をどう感じてもらえるか不安だったんですけど、そう言っていただけて本当に嬉しいです....！まだまだ物語は続きますので、最後までお付き合い頂けると幸いです！！ (10月12日 10時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - yokyo586さん» 励みのお言葉ありがとうございます！影山くんとのお話だけど、月島くんの良さを出来る限り表現していきたいと思いまして....！幸せだけじゃなくて切なくて辛い感じとか、リアルな恋愛を書くよう心掛けていますので....そのへんも楽しんで頂けたら幸いです！ (10月12日 10時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
mbftmm(プロフ) - 主様は天才ですか？天才ですね？きゅん死寸前です……言葉の綴り方も上手で世界に入り込んでしまう…！！！応援してます！！！！！！ (10月12日 0時) (レス) @page11 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
yokyo586(プロフ) - 切ない···影山大好きなのに、月島を応援したくなっちゃう···読み手の心を鷲掴みに出来る作者様すごすぎます！キャラの心情や背景がすっごく分かりやすくてスっと物語に入れちゃいます！ (10月9日 21時) (レス) @page11 id: 1b6531e2bb (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - まゆ華さん» この作品を見つけてくださってありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しいです....！これからも楽しんでもらえるように頑張りますので、よろしくお願いします！ (10月4日 20時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年9月30日 19時
