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照島「へぇ〜Aちゃんか。よし、覚えた！」
影山「覚えなくていいです。今すぐ抹消してください」
照島「えー、無理！」
影山「あ"？」
日向「誰か・・・」
あいだに挟まれている日向くんを誰か救出してあげて欲しい。大事な試合前だというのに、なんだか一気にやつれた気がする。
飛雄の低い声を軽く流す青年は、聞く耳持たずといわんばかりに頭の後ろで手を組んでいる。アーモンド色の瞳が目標を清水先輩へ切り替えたと同時に、彼女専属のボディガードである田中先輩と西谷先輩が走り出した。
勢いそのまま飛びかかろうとする二人のあいだに割って入ったのは相手方のマネージャーさん。お陰で面倒なことにならずに済んだ。きっと毎回ああして自由奔放な部員に振り回されているのだろう。何度も深々と頭を下げる彼女に心の底から称賛の拍手を送ってあげたかった。
放っていた視線を苛立つ飛雄へ固定させた青年は、嫌味を感じさせない強気な笑みを刻んでみせる。
照島「じゃあ一回戦、よろしく〜」
私と清水先輩にひらひらと手を振り去っていく黄色い背中を唖然と見つめる。清水先輩はきっとこういったことには慣れっこなんだろう、感情を一切なくした冷めた視線を送っていた。
私も清水先輩みたく、何があっても狼狽えない精神面が欲しい。毎回些細なことで動揺している私にとったら、頼もし過ぎる彼女はまさに憧憬の対象なのだ。
瞳を輝かせて清水先輩に擦り寄る私とは対照的に、第一試合の対戦校の背中に闘志をむき出しにする人物がいた。地鳴りにも似た低い声音を吐き捨て、威圧的な牽制をかけている。
影山「ぶっ倒す」
田中「おやおや奇遇だな影山〜、俺もいま全く同じことを考えていた」
西谷「地獄の底まで落としたらぁ！」
澤村「お前ら、私情を挟むのやめろ」
背後にメラメラと燃えたぎる炎が見える三人は殺気立った顔つきで黄色い背中に睨みを利かせている。あまりにも異様な雰囲気に周りに居た人達が逃げるように遠ざかっていく。
飛雄、ついに田中先輩と西谷先輩の輪に馴染んでしまったのか。威嚇が先輩コンビの役割だったのはもう過去の話で、今じゃ先頭切って噛み付いている気がする。──そうなるのは、いつも私のためなんだけど。
強気な黒い背中に面映ゆさがふつふつと湧き上がる。緩んでしまいそうになる口端を誤魔化すように、リュックの肩紐を強く握った。
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惠音(プロフ) - mbftmmさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます！独特な書き方をどう感じてもらえるか不安だったんですけど、そう言っていただけて本当に嬉しいです....！まだまだ物語は続きますので、最後までお付き合い頂けると幸いです！！ (10月12日 10時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - yokyo586さん» 励みのお言葉ありがとうございます！影山くんとのお話だけど、月島くんの良さを出来る限り表現していきたいと思いまして....！幸せだけじゃなくて切なくて辛い感じとか、リアルな恋愛を書くよう心掛けていますので....そのへんも楽しんで頂けたら幸いです！ (10月12日 10時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
mbftmm(プロフ) - 主様は天才ですか？天才ですね？きゅん死寸前です……言葉の綴り方も上手で世界に入り込んでしまう…！！！応援してます！！！！！！ (10月12日 0時) (レス) @page11 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
yokyo586(プロフ) - 切ない···影山大好きなのに、月島を応援したくなっちゃう···読み手の心を鷲掴みに出来る作者様すごすぎます！キャラの心情や背景がすっごく分かりやすくてスっと物語に入れちゃいます！ (10月9日 21時) (レス) @page11 id: 1b6531e2bb (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - まゆ華さん» この作品を見つけてくださってありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しいです....！これからも楽しんでもらえるように頑張りますので、よろしくお願いします！ (10月4日 20時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年9月30日 19時
