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(影山side)
スポーツ飲料が半分ほど減ったのに気が付いた頃には、体育館から漏れる賑やかな声もだいぶ少なくなっていた。おそらく体力を使い果たした木兎さんが床にヘバッているのだろう。急激に静かになったのがその証拠だ。
”そろそろ夕飯の時間だ”と腹の虫が合図を始めると、声を上げた黒尾さんが思い出したようにケータイを取り出している。黙ってその様子を見つめ続ける俺へ一瞥を寄越し、軽薄な微笑みを浮かべた唇が好奇心旺盛な色を滲ませていく。
「Aを初めて見たときに”誰かに似てる”ってずっと引っ掛かってたんだけど、このあいだようやく分かったんだよね」
「なんスか急に」
「えっとー・・・ほら、これ」
滑らせていた指が止まると同時にその画面が目の前に突き付けられる。否が応でも視界に入ってしまう画面を中心で捉えれば、そこには乱れた姿でベッドへ横たわる女が映し出されていた。まさか合宿に来てこんな動画を見せられるとは思わなくて、正直反応に困った。
＿＿＿黒尾さんが言っているのはこの女優のことだろう。髪の色や長さは違うが、確かに雰囲気はAにソックリだ。あいつはもっと色々と小さくて華奢な感じだけど。
官能的な映像を暫く観察しながら思考を巡らせれば、ケータイの向う側から感じる揶揄の眼差しにはっと我に返る。咄嗟に視線を外せば、喉を鳴らした黒尾さんが手に持つケータイを再びポケットへと滑らせた。
「な？めっちゃ似てない？」
「雰囲気はなんとなく似てますけど、Aはそんなに胸でかくないです」
「失礼な奴だな。Aに言いつけちゃおー」
「ッは、いや違います！俺はA以外の身体に興味ないって意味で、その・・・そもそも大きさとかどうでもいいんですよ！」
「ぶっはは！必死！安心しろ、言わないから」
撫で付けた焦燥に妙な汗が噴く。張った声と捲し立てるように紡がれていく文字から焦りが伝わったのか、お腹を抱えて吹き出すと何度もその肩を上下させている。
大きさなんて本当にどうでもいい。俺にとって大事なのは相手がAであって、その身体がAのものであるということだけだ。しかしA本人はそれを気にしている様子だったから、下手な誤解を招いてしまうのは避けるべきだろう。
慌てて釘を刺す俺に口端を緩めた黒尾さんが、「お前ってほんとAに弱いのな」とすっかり馴染んだ台詞を放ってみせた。
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惠音(プロフ) - mbftmmさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます！独特な書き方をどう感じてもらえるか不安だったんですけど、そう言っていただけて本当に嬉しいです....！まだまだ物語は続きますので、最後までお付き合い頂けると幸いです！！ (10月12日 10時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - yokyo586さん» 励みのお言葉ありがとうございます！影山くんとのお話だけど、月島くんの良さを出来る限り表現していきたいと思いまして....！幸せだけじゃなくて切なくて辛い感じとか、リアルな恋愛を書くよう心掛けていますので....そのへんも楽しんで頂けたら幸いです！ (10月12日 10時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
mbftmm(プロフ) - 主様は天才ですか？天才ですね？きゅん死寸前です……言葉の綴り方も上手で世界に入り込んでしまう…！！！応援してます！！！！！！ (10月12日 0時) (レス) @page11 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
yokyo586(プロフ) - 切ない···影山大好きなのに、月島を応援したくなっちゃう···読み手の心を鷲掴みに出来る作者様すごすぎます！キャラの心情や背景がすっごく分かりやすくてスっと物語に入れちゃいます！ (10月9日 21時) (レス) @page11 id: 1b6531e2bb (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - まゆ華さん» この作品を見つけてくださってありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しいです....！これからも楽しんでもらえるように頑張りますので、よろしくお願いします！ (10月4日 20時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年9月30日 19時
