髪は女の命【gr】 ページ44
私は自分のこの長い髪が自慢だ。
軍に入った時はショートだったんだけど、めんどくさくて放置してたら、気付けばかなり髪は伸びていた。
そろそろ切ろうかな、なんて思っていた時に、脱走していたらしいグルさんに会った。
「A」
『あぁ、グルさん』
「髪、伸びたな」
『ね。
覚えてないかも知れないけど、私が軍に入った時は肩にすらつかないショートだったんだよ』
「覚えているさ。お前が入隊した年は、お前が唯一の女兵士だったからな」
『そうだったね…』
「俺は、その髪好きだぞ。綺麗だ。お前によく似合っている」
『…ありがとうグルさん』
グルさんさんに褒めてもらえた、
私は、この髪が自慢。
グルさんに褒めてもらってから切る事はなかった。
マンちゃんにケアを教えて貰ったりして、綺麗にする努力をしていた。
けど、
rb「侵入者や！！」
tn「グルさんは俺が護衛する！」
『私も！』
rb「Aとトントン以外は俺が指示する！インカム切るなよ！！」
突然の侵入者。
奴は監視カメラに映らないように上手く移動しているようで、ロボロも苦戦していた。
そして、他のみんなと会う前に、奴は私たちの前に姿を表した。
そこにいたのは暗殺部隊の兵士。なるほど、だから死角を熟知していたんだな。
tn「……お前、ゾムの隊の奴やな」
「あぁそうだよ。ゾム隊長は優秀だからなぁ…素晴らしい立ち回りを教えてくれた……だが！俺は観光客だった、と……くくっ。
さぁ総統。お前の首はいただくぞ」
『そうはさせないよ』
「してやるんだよっ…！」
そう言って高く跳びグルさんにナイフを向ける。
トントンはグルさんを護り、私はトントンの前に立ち応戦する。
正直そこまで強いわけではなかったので、即捕らえることができた。
が、髪は切られてしまった。
腰まであった髪はばっさりと肩辺りまで切られてしまった。
トントンが奴を拘束して地下牢へ連れていくのを見送って、グルさんに向き直る。
『…っグルさん！大丈夫、だね、よかった』
「お、お前…髪が…」
『髪なんてまた伸びるから平気平気。グルさんが無事でよかったよ』
そう言うと、グルさんは私の肩へ手を置く。
「…髪、俺が切りそろえていいか？」
『えっ、いいけど』
「次は、絶対守るから。髪も、お前も」
『…そこは私だけでいいじゃん』
「髪は女の命だろう？」
『二つの命を守るのは大変ね』
「俺は総統だぞ？守るぞ、必ず」
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作者名：あおたん | 作成日時：2019年8月3日 15時
