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「で？付き合うことになったんや？」
『うん！顔赤くしてね、「俺も、好きやった(声真似)」って言ってくれたの……！』
「うっわ似てな。んま、とりあえずおめでと」
『ありがとう！！』
未だに昨日の余韻に浸ってにやけてしまう。
そして今日から、トントンくんが部活ない日は一緒に帰ろうと言ってくれた。
今日はまさに部活がない日。放課後が楽しみ。
…そういえば。
ふと、気になったことがあった。
『そういえばさ鬱』
「んー？」
『もし鬱が勝ってたらさ、何言うつもりだったの？』
「えー、あー………いや、言わんとくわ」
『え、なんで』
「聞かん方がええよ」
『なにそれ』
そんなん気になるじゃん。
私が鬱を睨むと、「放課後に教えたるよ」とふんわり笑った。
放課後。
『鬱！教えてよ〜！』
「早いわ今終わったばっかやろ」
先生の話が終わり、放課のチャイムが鳴ると同時に鬱の元へ走る。
「…俺が言おうとしとったのはな」
『うんうん』
tn「Aちゃん？」
鬱が口を開いたところで丁度トントンくんが教室に入ってくる。
『あ、トントンくん！ちょっと待っててね！』
tn「うん、ええよ」
『で？なに？』
「……俺と、付き合ってくれって言おうと思っとった」
『…………へ？』
「男女の仲が成立するわけないんよ、A。
俺は、お前のことがずっと好きで、でもお前は俺に興味ないから他の女と付き合って、でも諦められなくて、お前が好きで…っ！
……それが、言おうと思っとったことや。
ほら、トントン待っとるで」
『鬱、』
「はよ行けや」
そう、見たことの無い複雑な顔で私の背中を押す鬱。
『…………ごめん』
鬱に聞こえたかも分からない程の小さい声で謝り、トントンくんの元へ駆け寄る。
もし、あの時私が負けてたら。
もし、あの時遊びに行くのをトントンくんに断られてたら。
もし、何でもなく鬱に告白されてたら。
もし、
もし、
今日から、私の隣にはトントンくんがいる。
明日から、私の隣には鬱はいますか……？
男女の友情なんて、成立するわけがないんだ。
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作者名：あおたん | 作成日時：2019年8月3日 15時
