【wrwrd!】短編【ジャンルごちゃ】 (ページ1)

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君の為に【ut】ページ1

『だーかーらーー！もう謝らないで！！』

「許してぇや、Aちゃん...」

俺は今、大好きなAちゃんと喧嘩...いや、一方的に怒られている。そりゃそうだ。

原因は俺の浮気。俺からすれば、むしろAちゃんが浮気相手ではあるのだが、最近はAちゃんに本気になってしまって、他の子に「デート中上の空だ、鬱くんらしくない」と怒られてしまった。だから"お詫び"と称してデートしたのだが、それを見られてしまった。

『あのね鬱くん、私、知ってたんだよ』

「何を...？」

『鬱くんにとって、浮気相手は私のほうなんだって』

「......えっ？」

.....思考が停止する。いつからバレてた？なんで？どうやって...？

『...今回は鬱くんの方が私に気づいたからこうやって怒ってるけど、今までも何回も見かけてた。何回も怒ろうと思ったけど、信じてた。

でも、見るたびに違う子だった。

どの子が本命かなんて全く分からなかった。

でも、私といるより楽しそうな笑顔を見せてて、「あぁ、私は本命じゃないんだな」って思ったの。

最近、私といるとしかめっ面ばっかしてたから。前より笑顔減ったから』

悲しそうにこちらを見つめるAちゃんの目には涙が溜まり始めた。

違う、違うんや...。顔が険しくなってしもたんは、色々考えてたからで、

Aちゃんに楽しんでもらいたかった、Aちゃんに喜んでもらいたかった、どうすればいいのかわからなかった、だから頭ん中グルグルして、結果的にしかめっ面になってしもたんや...！

...俺がこう考えてる間も、顔は険しいようで。

『ほら、その顔。私といるの、そんなに嫌...？好きって、全部嘘だったの...？』

ついにポロポロと涙をこぼすAちゃん。

「っそれは違う！！」

『何が違うの！！』

「俺はっ、Aちゃんのことが好きや...。誰よりも...、一番、」

『ならっ！！なんで浮気なんか...あと、...なんで笑ってくれないの...？今だって...』

なんでやろ...笑いたいのに...口角があがらへん...。

「...すまんなぁ」

俺には、この言葉しか出てこなかった。

Aちゃんは、多分、悪い風に捉えてしまったのかもしれない。

彼女は涙を拭う術も知らないまま、走り去ってしまった。