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ここから主人公sideです▽
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騒々しさに、目を覚ました。
まだ外は暗く、しかし屋敷の異様な雰囲気を感じ
全身に緊張が走る。
嗅いだことのないような、むせ返るような鉄臭さと
誰かの叫び声
そして男のものだろう、高らかに笑う声が聞こえる。
何が起きているかはわからない、
けれど自分の死を想像するには、十分な状況下だった。
それならば、
最後は自分のやりたいことをやって死にたい。
私は布団からそっと抜け出すと、
読みかけの一冊の本に手を伸ばし
パラパラとページをめくり、物語に没頭していった…
＊
暫くしてふと顔をあげると
すでに叫び声も、笑い声も消えていることに気付く。
しかし、庭の玉砂利がゆったりと踏みつけられる音が聞こえることから、
まだ何者かが居座っているのだと直感した。
だが、まだ私はどこか人ごとのように
再び本に目を落とした。
しかし、それも束の間
スパンッと綺麗な音を立てて、
自室の障子が開かれた。
やっと来た…
私は今からこやつに殺されるのだろう。
けれども、案外死への恐怖はなかった。
殺される直前まで好きな文字に触れてやる、という意志の方が固かったのだ。
しかし、いくらまてども私に死はこなかった。
…どうしてだろう？
本に集中しているはずの自分の脳にはいつからか
一つの疑問が浮かぶ。
それが一気にぐるぐると脳内を周り、いい加減本に集中できなくなってしまった。
一瞬、ほんの一瞬
ちらりと入り口に目を向けてみた。
しかしそれが最後。
私は完全に本の世界から切り離された。
『…なんと、』
私は思わず声が漏れた。
そこにいたのは
盗賊なんてものではなく
顔が二つに、腕を4本身に付けた物の怪だった。
現実は小説より奇なり、とはよく言ったものだと
1人でに感嘆した____
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ゆりあ(プロフ) - 最高に面白かったです！二人の関係性から、彼女の心情の変化、特にラストの締めくくり方が凄くジーンときました。素敵なお話をありがとうございます！ (2020年12月29日 10時) (
レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー(プロフ) - 面白くて一気に見ちゃいました！笑源氏物語にも興味が湧きました！続編楽しみにしています！ (2020年12月21日 22時) (レス) id: 13895ddbea (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - すごく面白かったです！続編楽しみにしてます！頑張ってください、 (2020年12月21日 20時) (レス) id: 8f9f2425a1 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯 - 一話から最終話まで一気見しました!ここまで真剣に読んだのは初めてですw 続編も頑張ってください! (2020年12月21日 18時) (レス) id: 0253c03d6e (このIDを非表示/違反報告)
ミズカ(プロフ) - 続編嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年12月21日 18時) (レス) id: 9ec620cc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイコ | 作成日時：2020年12月18日 11時
