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宿「なんだ、お前の本は俺がそこらへんの人間を殺し始めるくらい退屈なのか?

Aよ。」



挑発気味に言う彼は、また楽しそうに笑っている。
だが、そんなことはどうでもよかった。

最後の聞き慣れない単語が、私の心をくすぐる。



『………私の名前、知ってたの』



宿「ん?はて、呼んだことなかったか」

どうでもよさそうに、彼はごろんと床に寝そべる。

呼ぶどころか、私はあなたに教えた覚えもないのだけれど…?


宿「さあ、早くしろA。俺の興が冷めて、
この宮中全域で暴れ回らないうちにな」




困惑する私へ
彼は再度名を呼んだ。




寒い冬の始まりのはずなのに
私は全身で、春のような暖かさを感じていた。




頭がふたつ、腕が4つの陳腐な姿は

気づくと、恐怖よりも安堵を運ぶようになっていた。




その日を境にして、毎年私の生まれた日の夜は

どこに居たとしても



彼は必ず私の前に現れた。

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ゆりあ(プロフ) - 最高に面白かったです!二人の関係性から、彼女の心情の変化、特にラストの締めくくり方が凄くジーンときました。素敵なお話をありがとうございます! (2020年12月29日 10時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー(プロフ) - 面白くて一気に見ちゃいました!笑源氏物語にも興味が湧きました!続編楽しみにしています! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 13895ddbea (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごく面白かったです!続編楽しみにしてます!頑張ってください、 (2020年12月21日 20時) (レス) id: 8f9f2425a1 (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯 - 一話から最終話まで一気見しました!ここまで真剣に読んだのは初めてですw 続編も頑張ってください! (2020年12月21日 18時) (レス) id: 0253c03d6e (このIDを非表示/違反報告)
ミズカ(プロフ) - 続編嬉しいです!ありがとうございます! (2020年12月21日 18時) (レス) id: 9ec620cc69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイコ | 作成日時:2020年12月18日 11時

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