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心が歪(意味深) ページ15




私に続くように、敦君が声を上げる。


「ぼ、僕なんか、孤児で家族も友達もいなくて、

  この前その孤児院も追い出されて、行く当ても伝手もないンだ!

  害獣に変身しちゃうらしくて、軍系にバレたら多分縛首だし、

  取り立てて特技も長所もないし、誰が見ても社会のゴミだけど、

  自棄にならずに生きてるんだ!」


思いっきり自棄になってるよ。

ブーメランどころの話じゃないよ。

フリスビーが10個くらい顔面衝突してるよ。

流石に痛そうだよ。


「だ、だだだから!一緒に仕事探そう!?」


「何でそうなりマシタ?」


「え?う、うん、ボクは別に仕事を探している訳では…」


ちらりと横を見ると、

最推しとばっちり目が合った。

相変わらずの顔面偏差値ですね。

生活水準、私が爆上げしてあげます。


「今だ、国木田君!」


太宰さんの合図で、国木田さんが手帳に書き込む。


「異能力【独歩吟客】!」


手帳の頁が、鉄線銃に変わった。

そ〜んで、爆弾が奪われて、


「確保ッ!」


一件落着ってカンジ〜♪


「一丁あがり〜」


あ、国木田さんの万年筆が真っ二つに。

なんて、周りの空気が少し緩んだのも束の間。


「貴様ァ!人を愚弄するのもいい加減にせんか!!」


「お前もなァ!!」


谷崎君が起爆スイッチを奪い返す。

迫真の演技過ぎて好き。


「莫迦にしやがッて!!…ほンッと…」


悪い笑みすぎて泣きそう。

さっきまで好きだったのに。

これが…蛙化現象…!(違う)


「異能力者ッて奴らは、どこか心が歪だ…」


スイッチを押すと、傍らの爆弾が動き始める。

残された時間は…


「あ、あと30秒で…爆発!?」


爆弾の近くに居る私たちに駆け寄ろうとする国木田さん。

けれど、谷崎君に押さえつけられた。

危険を冒してまで私たちを助けようと…!!

演技とは言え、不覚にもキュンとしてしまった。

私悪くない。

この話の太宰さんの表情常に良い…最推し尊い…→←シリアスとシリアルってまぜたら美味しいのかな。



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作者名:れれりるれよ。 | 作成日時:2023年10月5日 21時

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