練習スタート。多分。 ページ18
【マークサイド】
俺と一ノ瀬と奏で出かけたあの日の翌日。
俺は奏に呼ばれ、奏の部屋に来ている。何とも今日のメニューを伝えると言われた。
何気に奏の考えた練習メニューをやるのは始めたかもしれない。
どんなのだろうと考えていると、奏はこちら側にパソコンを向けてきた。
パソコンには『ロシアチーム シミュレーションゲーム』と書かれた
フォルダがあり、奏に「それを開けてみて」と言われ、素直に開けてみた。
俺は驚いた。そこにはロシアチームの控えを含めた全選手を計算に入れて
考えられる全ポジショニングの選択肢。それだけでも十分に驚いたが、もう一個の
フォルダにはその全ポジショニングとアメリカの対戦結果が細かく乗っていたのだから。
奏「あくまでもそれはデータ上のお話だ。キミにこれを見せた理由、わかるかい？」
マ「いや・・・」
奏「君にこれを見せたのは、ロシアイレブンの恐ろしさを分かってもらうためさ。
今のアメリカでは、ロシアに勝つことは難しいと私は踏んでいる。
だから、今日からロシア戦の前日までは各々の弱点を完璧に克服する
練習をしてもらうよ。」
マ「あぁ。分かった。」
奏「それならいいよ、じゃ私は寝るね。徹夜コースだったんで・・・ね・・・」
・・・そのまま寝てしまった。
皆にはこれを見せて説明しよう。
マ「・・・奏。ありがとう。これ、ちょっとだけ借りていく。」
奏の耳元で囁き、俺は部屋を出ていった。
できるだけ、音を立てずに・・・
―――こんなこと、普通の人間には一晩でやるなんて無理だろう。
しかし奏はやって見せたんだ。
眠い眠いというのになぜ寝ないのか、とずっと考えてた。
それは、このチームの為だったんだな。
ありがとう、奏。
――――――
今回はいつもよりちょっと短めです。
私アメリカ組ではマークと一ノ瀬が大好きで。
今回アメリカの話にしたの、そのせいです。
このお話は、結構スラスラ書けたんですよね。
書いてて楽しかったです。
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作者名：ウララ | 作成日時：2021年2月12日 19時
