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「じゃあ出会いから聞こうか？(笑)音楽やってる人ってことは、出会いもそんな感じ？」
『あ、いや、合コンです(笑)』
出会ったきっかけを話せば、あ、そーなの！意外！なんて笑われて。そのまま、一緒に出かけた場所とか、海外旅行に行った話とか、元彼が所属してるバンドを学祭に見に行った話とか、3年も付き合っていれば、大きな出来事だけでも、まあまあある。
ひとつひとつを話すたびに、いいねえ！とか、青春だ！とか相槌を打ちながら、須貝さんは聞いてくれて。時々、え、それってどんな場所？とか、海外どこ行ったの、なんて話題も広げてくれるから、こちらも話やすいし、きっと話を聞くのが上手いんだろうな、なんて。
一通り話して、時々笑って、そんなことをしていれば、なんだか暖かい気持ちになっていて。こっちの話を選択してよかったな、なんて思う。
『ふふ、ありがとうございます。たくさん聞いてくれて』
「いーえ？俺から聞いたしね」
『今度、ごはんか何か奢ります』
「えー？後輩の女の子に奢らせるのはだめよ」
『えー！じゃあ、何かあげます』
「一緒(笑)んー、じゃあ、最近近くにできた定食屋さん気になってて、ランチ付き合ってくんない？今度」
『あ、そこ私も気になってました！………それでいいんですか？』
そう聞けば、全然いい。むしろ、新しいところ1人で入るのちょっと緊張しない？なんて言われて。確かに、行き慣れた店ならまだしも、初めての場所は誰かと行ってみたいよなあ、なんて。
じゃあ、決まりね。次の撮影が重なった時とか、なんて、何となくの日程が決まって。もりちゃんグループLINEにいるよね？そこから、探して連絡するー、なんて、須貝さんとこれまでより、仲良くなれた気がして嬉しくなる。
「なに、何か盛り上がってるね」
そのまま、最近近くにできたお店とか、ここのごはん屋さんがおいしいよ、とかそんな話を続けていれば、声がして入口を見れば福良さんが立っていた。
「だってみんな来ないから」
「いやいや、俺3分遅刻なだけだよ、2人が早いだけ」
そう言って笑う福良さんに、2人して、遅刻は遅刻です！なんて指摘すれば、3分だってー！2人は早すぎ！なんて言い合いが続いて。
そこから着々と集まり出すメンバーを迎えて、いつものように撮影がはじまった。
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年3月12日 17時
