ー 2 ページ28
.
撮影が終わって、みんなでゆっくりとしていれば、すぐ側にいる須貝さんからメッセージ。買いたいものがあって、コンビニに行ってるからそこで待ち合わせしよ、なんて。
了解です！なんてスタンプを押した瞬間に、須貝さんが立ち上がっておつかれ〜なんてオフィスを出て。きっと、2人で出ることを気にすると思って、このメッセージをくれたのかな。
しばらく経って、まだ残っていそうな皆さんに、おつかれさまでーす、なんて声を掛けてオフィスを出る。まだ日が長い季節とはいえ、日没までもう30分もなさそうな空だ。
駅に向かう方向とは逆方向に歩いて、コンビニに向かう。着いて中に入れば、飲み物のコーナーの前に須貝さんがいて。
「なにがいい？」
『えー、じゃあこの抹茶ラテ』
「はい、貸して」
『いいですよ、自分で買います』
ペットボトルを手に取った瞬間に、頂戴って手を出されて、これは買ってくれようとしてるな、と思って自分で買いますよって言えば、100円くらい気にしないの、なんて手に持っていたものを取られた。
そのままレジに進む須貝さんに着いて行きながら、ピッ、と支払いを済ませてくれて、先ほど取られたペットボトルを渡されて。
「ありがとうございます」
『いーの、いーの』
「花火、どこに買いに行きますか？」
『あっち側のホームセンターかなって』
2人で買ったペットボトルの中身を飲みながら、目的地まで歩く。もう時間的にはいい時間だからか、ホームセンターの中の人は、まばらだ。
きっと数週間前までは、表に出ていたであろう花火たちは、少し奥に入ったところに、こじんまりと置いてあった。
大中小という表現がぴったりのラインナップの中から、小と中を持たれて、どっちがいい？なんて聞かれて、悩んだ末に、中にすれば笑われて。
『だってすぐなくなりますよ？』
「いや、そうなんだけどね(笑)」
『なんでそんな笑うのー！』
「ほんとに花火したいんだなって」
そう言って未だに笑い続けている須貝さんの腕を軽く叩けば、ごめんごめん、なんて。そのままレジに進みながら、前と同じような雰囲気に戻れている気がして、少し嬉しかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エンスイ | 作成日時：2021年3月12日 17時
