【QK】ガラス瓶と天秤【sgi】 (ページ25)

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「はい、もりちゃん何飲む？」

そう言って目の前でメニューを広げられる。ここの飲み物の種類豊富だな、なんて思いながら、どれにしようか悩んでいた時に、1つ目に入ったものがあって。

『このカクテルにします』

「へえ、珍しいね」

『あはは、そうですね』

「そんなに酔いたい？」

その言葉に、須貝さんカクテル詳しいんですか、なんて返せば、そんなに詳しくないけど、それ有名でしょ。飲みやすくて度数高い、みたいなやつ。と言われて、あはは、と再び微笑むしかできない。

このカクテルを選んだ理由は、確かに最初に強いお酒を入れて、いい感じに酔ってしまいたいな、なんて。そうした方が普通に話せるだろうなって、思ったからなのだけど。

『ちょっと酔いたい気分だなーって(笑)』

「それ、仮にもあなたのことを好きって言ってる人の前で言っちゃだめよ」

『ふふ、大丈夫ですよ。そんなに弱くないので』

結果的に、酔いたくなってそれに決めたことを、ふざけたように話して、最後に突き放すようにしてしまった。こんなときに、須貝さんは酔っ払った私に何かする人じゃないですもん、なんて可愛く言えたらよかったのかもしれないけれど。

そこで、ちゃんとセーブしなよ？なんて、優しく言って頼んでくれて。それこそ、大学生で成人したばかりの頃とかは、お酒で何度か失敗もしたが、最近はそんなこともなく、いい感じに酔っ払って気持ちいい、で止まって、吐くまでになったことも、記憶を飛ばすようなことも、ここ数年ない。

頼んだものが到着して、私と須貝さんの前にグラスが置かれる。じゃあ、とりあえずかんぱーい、なんて軽くグラスを合わせて、口に入れれば、久しぶりに飲んだカクテルの味。

「それっておいしいの？」

『美味しいですよ。てか、美味しいから頼んでるんですよ！(笑)』

「単純に強い酒入れたくて頼んだのかなって、」

『まさか！そんなショット頼むみたいな、感覚で頼みません』

料理も運ばれてきて、お酒をゆっくり進めながら、会話を。

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