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あの気まずい雰囲気全開だった日から2週間ほど。先週の撮影には行けずで、あれから須貝さんには会っていない。少しずつ気まずいという状況を忘れつつあった頃、私は今スマホ画面の通知を見ながら、半日くらい悩んでいる、気がする。
緑のメッセージアプリからは、来週あたりここ行かない？と、須貝さんからのメッセージ。所謂、未読無視状態なのだが、ぱっと表示されたお店のサムネイル画像だけでも、気になる感じのお店だった。行きたい。とは思いつつ、2人で数時間一緒にいられる自信も未だなく、ああ、ここまでくよくよする女だったかな、私、なんて思ってしまう。
そんなこんなで、スマホ画面を開いて、悩んでは後回しにして、スマホを開いてまた悩む、ということを、ひたすら繰り替えしている。このことがきっかけで、須貝さんと決別なんてことにはなりたくないんだけどな。再スタートの仕方なんてしたことがなくて、分からない。
もう今日は寝てやる、なんて思って、ベットで布団をかぶって目を瞑る。ああ、あれから考えていることは須貝さんのことばっかりだな、なんてさらに頭を悩ませるようなことが、目を瞑った瞬間に浮かんで、頭を振って考えるのを辞めた。
しばらくして、目を開ければ、レースカーテンから差し込んでいた光はなくなっていて、外は真っ暗だ。時計を見れば、お昼寝にしてはだいぶ長い時間寝てしまった。今日はこのまま、朝まで寝てしまおうか、そう思って再び、目を閉じた。
朝、いつもより少し早い時間に目が覚めて、起き上がってぐっと伸びる。いつものルーティンで枕元にあったスマホの電源を付ければ、通知が1つ。その通知を見て、昨日の記憶が一気に蘇る。そういえば、放置したままだった。
右上に赤色の数字が現れているアプリをタップして、1番上のメッセージを開く。開いた状態で、もう一度その文章を見ながら、ベットの上で、うーんなんて唸るように考えて。
結局、来週忙しくて、また誘ってください、なんてありきたりな文章を打って、送信ボタンを押せば、特有の音と共に表示される自分のメッセージを見て。既読がついてしまう前に、アプリを閉じた。
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年3月12日 17時
