【QK】ガラス瓶と天秤【sgi】 (ページ21)

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Side sgi

先日、告白したことを、俺は半分くらい後悔している。

だって、彼女の俺に対する態度や雰囲気が、明らかに、気まずい、ということを現しているから。今だって、オフィスに到着したばかりの彼女は、俺と目が合って、すぐに逸らした。そして、福良さんと業務的な会話をはじめたと思えば、彼女から話題を広げているような気もする。考えすぎか…？

後悔していない半分は、彼女に俺の気持ちを知ってもらえたら少し意識してくれるかな、とかそんな感じ。だって、意識してもらわないと、何も始まらないでしょ。

そんな自問自答を繰り替えしていれば、福良さんがコンビニに行くと言って、良いのか悪いのか2人きり。前までは、同じ状況になっても、ずっと話し続けていて、会話が途切れることなんてなかったのに、今は静寂だ。

「もりちゃん」

彼女に向かって呼びかければ、分かりやすく肩がびくっと震えた。気にはなるが気にせずに、これまで通りにしようよ、なんて提案をすれば、了承の答えが返ってきて。また、飲みにでも行こうねなんて言葉にも、同じような言葉が返ってくるが、相変わらず、彼女からは気まずいというオーラが漂っている。

うーん、これはどうしたらいいのか。とりあえず、今日のところは、こんなところにして、またしばらくしたら、普通にメシでも誘ってみようか。

なんだかんだ俺も、この前のことで諦めて普通の友達みたいな関係に戻ろうか、とは思えないくらいには彼女のことを好きになってしまっているようだ。

そして、彼女が俺に対して、代わりにはできない、と言った、本意は未だ分からず。

その言葉について、いつ聞こうかな、なんて考えながら、今この状況を脱却するには、福良さん早く帰ってきて、と結局は彼女と同じことを願うしかないのだった。

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