仕返しバウムクーヘン / sgi ページ47
.
Side sgi
『何したら、こんな汚くなるの』
久しぶりに俺の家を訪れた彼女の一言目はこれだった。なんとなく察してたけど、なんて言葉を添えて、部屋に入った瞬間の光景に絶望している。これでも、ちょっとは片付けたんだけどな。途中で、今更か、なんて考えてやめちゃったりしたけど。
うーんっ、なんて伸びたと思ったら、家に帰ってきたというのに、マスクを外さずに窓を開け出して。どうやら、掃除してくれる気らしい。うん、ごめん、ちょっと期待してた。まさか、来て早々こうなるとは思ってなかったけど。
「すいません」
『思ってないでしょ?(笑)』
「まあ、Aが綺麗にしてくれるかな、とは思ってた」
『正直でよろしい。最近忙しそうだったからね、やってあげますよ』
そう言いながら、床に散らばったり積み重なったりしてるものを、少しずつ元あった場所に戻したり、まとめたり。本棚もこうやったら、もうちょっと入るんじゃない?なんて整理してくれたり。
女の子ってすごいな、なんて思わず感心していれば、突然名前を呼ばれて、彼女の方を向く。
『見てないで手伝ってよー』
「あ、ごめんごめん」
『あーーーっ、駿貴くんこっち。これ一緒にやってほしい』
どうやら、俺が触れようとしたところには、触らないで欲しいらしい。仮にも俺の家だけどね?俺の家で、どこに何があるか、まで把握してるのは嬉しいことだけどね?
いつか一緒に住む時が来たら、こんな感じなのかな、なんて考えて、想像して笑っていれば、怪訝な顔でこちらを見られて。
「いや、(笑)」
『え、なに』
「なんでもないでーす」
無理やりごまかせば、相変わらずなに?なんて、はてなマークを浮かべた顔をしてるけれど。
こんな空気で一緒に住もうか、なんて言ってみる雰囲気もいいのかもしれないが、タイミングとか時期とか、いろいろ重要な気がして、今はやめておくことにした。
目の前に散らばったものを1個ずつ整理して、彼女は時々掃除機をかけたりしていて。そんな姿を見ていれば、手動かして!なんて言われて。
1時間くらいすれば、あっという間に綺麗になっていく俺の部屋を見ながら。
.
297人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エンスイ(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます!リクエストは受け付けているのですが、今書いているメンバーでいただけたらと思っており、tmrさんは私自身も雰囲気等あまり理解できていない部分もあり難しいかもしれないです……。今後機会があれば書かせてください…! (2021年2月22日 2時) (レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめまして、いつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんを出来ますか?出来たらよろしくお願いします。これからも頑張って下さい。 (2021年2月20日 23時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:エンスイ | 作成日時:2021年2月17日 12時