【QK】ジンジャークッキーと流星群【短編集】

▽ ページ38

.




『もしさ、同じような感じで私から別れようって言われたら駿貴くんはどうする？』

「そんなの、理由聞くまで離さないよ」



その言葉に、怖、って一言笑えば、そんなのそうでしょーよ、って返ってきて。じゃあ、逆に夢の私みたいな立場に駿貴くんがなった時は、どうするんだろう、なんて疑問に思って、彼に投げかけてみれば。



「んー、俺もAと離れたくないけど、迷惑はかけたくないって思うかなあ」

『でしょ？』

「でも、Aにそのまま言うと思うよ、離れたくないけど迷惑もかけたくないから、Aが決めてって言うかな」

『私が決めるの、酷じゃない？』

「勝手に俺に決められるよりはいいでしょ？」



それか、2人で話し合って決めるか、って話す彼は、やっぱり私よりいくらか年上で、お兄さんなんだなって思わせられる。

でも私はきっと一緒にいることを選ぶなあ、なんて漠然とそんな状況になったことなんて、ないくせに、考えてみれば、Aは、どうすると思うの、なんて言葉にそう答える。



「俺も同じ。Aと一緒にいることを選ぶと思うよ」

『…………へへ、』

「だから、勝手に決めちゃだめよ」



そう言って頭を撫でられるから、わかった、なんて頷いて。今振り返ってみれば、あまり現実味のない夢だったのかもしれないが、こうして話してみると、少しすっきりしたような気もする。

元気になった？なんて聞かれるから、もとから元気だよ、なんて笑えば、そっかなんて笑われて。

こんなふうに、2人で並んでずっと笑い合っていけたら、きっとずっと幸せだねって、思って。隣にいた駿貴くんに寄り掛かるように体を預けて、少し目を瞑る。

また寝るの？なんて言われるけれど、今度はいい夢が見られそうな気がして。









_________________________________

誰のお話にするかTwitterで投票いただいて、
いざわさんきどちゃんと同表だったのですが、
今回は須貝さんにしてみました！





.

少しくらい自慢したって / izw→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す