勝手にいなくならないで / kwmr ページ27
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※直接的な描写はありませんがちょっと重いです
なんとか体を引きずるようにして家に帰ってきた。玄関の鍵を開けてリビングまでの道を歩くと、部屋が真っ暗でさらに項垂れる。今日拓哉は仕事で遅くなるって言っていたな。
部屋の電気をつけて、お水をグラスに注いで一口。ラグに座りながら、ソファに頭を預ければ、我慢していた涙が一気に溢れ出す。
6年間医学部にいて、現場に出て3年。10年近く医療というものが近くにあって、今日起こったことが自分の目の前で起きるなんて容易に想像できたはずだし、3年も現場にいれば初めてではない。
だけど、今日が1番辛い。3年間の中でも9年の中でもなく、人生で1番辛い気がする。この仕事をしていて、情なんて持たない方がいいことも分かっていたけれど。頭では分かっていても、それを行動にするというのは難しいものだ。
でも病室でも医局に戻ってからも、泣かなかった。きっと私よりも辛い人が山ほどいるはずだから。私なんかが泣いちゃいけないと思った。他の先生に心配もされたけれど、大丈夫ですって言い切った。笑えてなかったかもしれないけれど。
だから、今だけは涙が枯れるくらいまで、泣かせて欲しい。思いっきり泣きたいそんな気分だし、既に泣いている。泣きながら、拓哉にいて欲しいな、なんて我儘まで思ってしまうんだ。
これまで、体調を崩したときだって生理が酷くて死にそうな時だって、早く帰ってきてお願いなんて彼に言ったことはなかった気がするけれど、今日くらい言うことを許してほしい。明日ちゃんと謝るから。
そう思いながら、アプリを開いて通話ボタンをタップする。部屋に鳴り響く無機質な音と、止まることを知らない涙と、拓哉、なんてちっちゃく呟いた声はどこかに届いていただろうか。
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エンスイ(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！リクエストは受け付けているのですが、今書いているメンバーでいただけたらと思っており、tmrさんは私自身も雰囲気等あまり理解できていない部分もあり難しいかもしれないです……。今後機会があれば書かせてください…！ (2021年2月22日 2時) (
レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめまして、いつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんを出来ますか？出来たらよろしくお願いします。これからも頑張って下さい。 (2021年2月20日 23時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年2月17日 12時
