【QK】ジンジャークッキーと流星群【短編集】

君だから特別 / izw ページ25

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久しぶりに外でデートしようよ、なんて言われて、そう決めた当日。前回はドタキャンしてしまったこともあり、2人で昼間からどこかへ行くなんて、かなり久しぶりだ。

待ち合わせ場所に着きそうな時間にメッセージを送れば、あと3分くらい！なんて言われて、改札から少し離れたところに立って待つ。今日はこの駅の近くの博物館に行く予定。そこで、期間限定で行っている展示が気になっていて。拓司くんに話したら、いいよって言ってくれた。

スマホを触って、展示の内容を再び見ていれば、もう着く、なんて通知がひとつ。



「A、お待たせ」

『あ、全然。行こー？』



そう言って歩き出せば、右隣に立たれて、ぱっと手を握られて。外を2人で歩くのも久しぶりであれば、外で手を繋ぐのも久しぶりで、無駄に緊張する。

その緊張が伝わったのか、まさか緊張してる？なんて若干笑われて。久しぶりだから、なんて理由をきちんと言えば、誰かさんのせいでね？なんて、言われてしまった。ちゃんと謝って仲直りしたのに意地悪だ。



「ポニーテール、かわいい」

『今更ご機嫌とっても無駄ですー』

「なんでだよ(笑)かわいいって思ったから言ってるんだよ」



ちょっと拗ねたように返せば笑われて。最近は家の中で会うことばかりだったから、髪をわざわざ束ねることはあったとしても、軽く後ろで1つにまとめる程度で、ポニーテールと言われるくらいまでの高さに結ぶのは久しぶりだ。

付き合う前にも可愛いと褒めてくれたし、告白してくれて付き合った日も、この髪型だったな、って。今朝、髪型をどうしようかなんて、一瞬悩んでみたが、やっぱりこれにした理由を話してみようかと思って。



『拓司くん、いつも褒めてくれるから、これ』

「うん、似合ってる。この髪型好き」

『ポニーテールが好きなの？』

「嫌いな男いないんじゃない？」

『……女の子のポニーテールだったら、みんな好き？』



そう聞いて見上げれば、あー待って、そんな意味で言ったんじゃない、いやそうかもだけも、え、待って、なんて珍しく、ごもごもと私に向かって否定するから、ふはっ、って吹き出すように笑えば、笑うなよって言われた。

目的地に到着するまで、あと5分ほど。この話は解決するのかな、なんて。まあそんなに気にしてないのだけれど。







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