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目を細めて、ゆっくり笑えば、ほんとにこれ好きだね、なんて言われた。さっきも言った通り、あんま心配してないけど、釘刺しておこうかと思って、なんて言いながら、さらに言葉を続けて。
『女医さんってだけで寄ってくる男がいるのに』
「…………ほう、」
『可愛いって言われるくらい、自分が可愛いってこと自覚してね』
「……………へ、」
普段可愛いなんて、彼から日常的に出てくる言葉じゃない故に、びっくりして固まっていれば、わかった？なんて聞かれて、はい、と言うほかなかった。
それにしても、彼がそんなことを言ってくるなんて珍しくて、目を向ければ、なに、なんて言葉が発せられて、疑いの目をしてしまっていたかもしれない。
まあでも、彼はそこまで心配していないと言っていたし、その理由が私は分かる気もする。それは、これだけ恋人として一緒に過ごしてきたからこそ分かるものだが、いざ言葉にするとなると、少し恥ずかしいものでもあった。
『でも、私拓哉しか見えてないからな、』
「だから、そこまで心配してないって言ったんだよ」
『へへ、分かってたよ』
「でも、さすがにそんな噂聞いたら、気にはなるでしょ」
それを心配というのではないか、と思うが、言わないでおいてあげよう。彼的に私にこの言葉を言わせたかった訳ではないだろうが、私はこの言葉を発する時に少なからず緊張するのだ。
彼が私に対してそこまで心配していないと言ったように、私も彼に対して同じ気持ちを持っている。それは、彼自身も私しか見えていないと思うから、なんて自惚れすぎだろうか。
そうだろうなんて気持ちがあっても、さすがにそれは10割ではないわけで、彼に向き合って、拓哉は？なんて聞けば、怪訝な顔をされた。
『言ってよ』
「分かってるでしょ」
『わかりませーん』
「…………僕も。Aしか見えてないよ」
その言葉に満足して嬉しくなって微笑めば。はあもうなんで、結局僕まで問われることになってんの、なんて照れ隠しなのか、彼は項垂れていて。
洗濯物もどしにいこ、なんて、余裕をかましてソファから立ち上がろうとすれば、立ち上がった瞬間に、再び腕を引かれて、気付いた時には彼と唇が合わさっていた。
「好きだよ、A」
彼がにやって微笑むのと、私が目を逸らして照れるのは同時だったと思う。結局彼が今日も上手なのだ。
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エンスイ(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！リクエストは受け付けているのですが、今書いているメンバーでいただけたらと思っており、tmrさんは私自身も雰囲気等あまり理解できていない部分もあり難しいかもしれないです……。今後機会があれば書かせてください…！ (2021年2月22日 2時) (
レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめまして、いつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんを出来ますか？出来たらよろしくお願いします。これからも頑張って下さい。 (2021年2月20日 23時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年2月17日 12時
