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『もう、何言われると思ってたの(笑)』
耐えきれなくなって、笑いながらそんな言葉を投げ掛ければ、いや、これといって思いついてた訳じゃないけどー、なんて。そんなことでいいの?って思っちゃって、と彼は言葉を続けて。
『私にとっては、なかなか嬉しいことだよ』
「……そう?いつもと変わらなくない?」
『だからいいの、この後拳くんとデートだって思って頑張れちゃうでしょ』
そう言えば、ええーなんて、少し照れているような喜んでるような声が聞こえて、表情が見えないのが残念だな、なんて思う。言わないけど。
彼は、いつものこと、なんて言うけれど、私には十分モチベーションになることで。普段の仕事だって、この後拳くんが家に来るんだった、なんて思えば頑張れちゃうし、週末外に一緒に出掛ける予定があれば、その1週間は頑張れてしまう。
これって、私だけ?なんて、少し寂しく思って、拳くんはいつものデート楽しみにしてくれてないの?なんて、少し意地悪く聞けば、そんなわけないでしょ、なんて返ってきて。俺もAちゃんと会える日の仕事とか、きっと捗ってると思うよ、なんて。ほら、それと同じだよ。
「試験、なんて普段のことと少し違うからさ、何か特別がいいかなって思って」
『ふふ、じゃあ、その日は拳くんのデートプランでお願いしようかな』
「あー、そうだね。じゃあ、とっておきのやつ、考えておきます」
『楽しみにしてます』
そんな約束を取り付けて、少しだけって話してたのに、結構話しちゃったね、なんて。拳くんが、Aちゃんまだ勉強するの?なんて聞くから、あとちょっとだけね、と返せば、無理しないでよ、なんて。そんな言葉に拳くんがいるから、がんばりまーす、なんてふざけて返せば、かわいー彼女だねー?って返ってきた。
こんななんでもない会話で、気持ちはだいぶ楽になって、元気になって。電話を切った後も、私の顔はきっと緩みまくっているんだろうな、なんて。
週末のデートを楽しみに、今日もあとちょっとだけ頑張ろーっ、なんて、伸びてテキストと向き合うのだった。
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エンスイ(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます!リクエストは受け付けているのですが、今書いているメンバーでいただけたらと思っており、tmrさんは私自身も雰囲気等あまり理解できていない部分もあり難しいかもしれないです……。今後機会があれば書かせてください…! (2021年2月22日 2時) (レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめまして、いつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんを出来ますか?出来たらよろしくお願いします。これからも頑張って下さい。 (2021年2月20日 23時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エンスイ | 作成日時:2021年2月17日 12時