ご機嫌なチーズケーキ / izw ページ45
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拓司くんの部屋を訪れた休日。飲み物を出そうと思って、冷蔵庫を開けようとしたら、あ、なんて声と共に彼から静止の声がかかった。
「Aちょっと待って」
『え、なに？』
「一旦あっち向いて」
そう言って冷蔵庫に向かっていた体を、180度回転させられて。何やら後ろでがさごそ、している拓司くんを疑問に思いながら、大人しくその指示に従っていれば、手を後ろに引かれて。
ゆっくりと振り返れば、はい、って差し出される小さめの紙袋。中には、横長の箱が入っている。
「1日早いけど。ホワイトデー」
『あ。え、そっか。えー、ありがとう』
すっかり頭からそのイベントは抜けていて、拓司くんの言葉で思い出して、戸惑った声を思いっきり出せば、目の前で笑われた。
だってお返し、とか気にしてなかったから。バレンタインなんて見返りを求めてあげるものじゃないでしょ？なんて、それっぽいことを思ったりして。
紙袋から箱を出して開ければ、中身はチーズケーキだった。絶対これ美味しいやつだ！と思って、彼を見上げればさらに笑われて。
「そんなに気に入った？」
『だってこれ絶対美味しいやつじゃん』
「なんか、有名なやつみたいよ」
『へへ、ありがとう』
「こんなに喜んでくれるならよかった」
にこにこしながら、紅茶でも淹れようかなーとキッチンに立って、拓司くんも食べるか聞いたら、私のやつを一口もらうだけでいいらしい。
残りはAが食べなって言われて、ケーキ1つは確かに少し重いのかもな、と思って、お皿に少し大きめにケーキを切り分けて、カップを2つトレイに乗せて持っていく。
「…………でかくね？」
『え、そう？でも拓司くんも食べるんでしょ』
「俺一口でいいのに」
『いーのっ』
「ふ、ゆっくり食べればいいのに」
『一緒に食べるから美味しいんじゃん』
そう言えば、そうですか、ってまた笑われた。今日はよく笑われてる気がする。目の前に持ってきたケーキを見ながら、確かに少し大きく切ってしまったかもしれない、なんて今になって思ったりして。
すっと、フォークを通して。フォークに乗った一口サイズを、拓司くんの口の前に差し出して。
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エンスイ(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！リクエストは受け付けているのですが、今書いているメンバーでいただけたらと思っており、tmrさんは私自身も雰囲気等あまり理解できていない部分もあり難しいかもしれないです……。今後機会があれば書かせてください…！ (2021年2月22日 2時) (
レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめまして、いつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんを出来ますか？出来たらよろしくお願いします。これからも頑張って下さい。 (2021年2月20日 23時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年2月17日 12時
