決断は誰のためか / sgi ページ36
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駿貴くんと2人で過ごす休日の1日。なんでもなく過ごして、いつものように2人で並んで食事をして、このまま一緒に寝て朝を迎える、そんな流れに乗る前に、今日は話さなければならないことがあった。
ずっと話さなきゃと思いながら話せない日々が続いていたけれど、そろそろタイムリミットが来てしまう。深く息を吐いて、駿貴くん、なんて呼び掛ければ、んー？なんていつもの返事が帰ってくる。
『好きだよ、大好き。』
「……へ？俺も大好きだよ？」
『………あのね』
「待って」
好きだよ、なんて言ったら、自分が辛くなるだけなのにな、なんて思うけれど、言いたくなってしまった。私って我儘だな、なんて思いながら、その先の言葉を続けようとすれば、言葉を止められて。肩を掴まれて、向き合って目を合わせられる。
「何言おうとしてんの」
『…………っ、あの、』
「俺聞いちゃいけない気がするんだけど」
『……………っ、別れて、ほしい』
言わなきゃいけない言葉を出す前から、何かを察してる表情の駿貴くんと目があって。泣かないって決めたのにな、こんなの泣いちゃうな、そう思って少し上を向けば、顎を持たれて、前を向かされて。
その瞬間、私の頬につたう涙と、それに触れる駿貴くんの大きな手はどちらが、早かっただろうか。
「……………理由は、」
『……ごめん』
「何で泣いてんの」
『…ごめっ、ん』
「理由もなく別れてって言われて、分かったよって俺言えないよ」
『ごめっ、なさい』
「A」
その優しく呼ぶ声と、頬に触れる手の温もりに、涙は止まらなくて。たくさん考えて、考えて、自分で出した結論なのに、彼の一言でこんなにも揺らいで。
彼のため、と思って出した結論は、結局自分勝手な方に動かしたくなっていて、ああ、どうしたらいいんだろう、私だって離れたくないんだよ、なんて言えたらどれだけ楽だろうか。
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エンスイ(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます！リクエストは受け付けているのですが、今書いているメンバーでいただけたらと思っており、tmrさんは私自身も雰囲気等あまり理解できていない部分もあり難しいかもしれないです……。今後機会があれば書かせてください…！ (2021年2月22日 2時) (
レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめまして、いつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんを出来ますか？出来たらよろしくお願いします。これからも頑張って下さい。 (2021年2月20日 23時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年2月17日 12時
