見つめるのは18歩先 ページ3
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Side ymmt
ソファ特有の背中付近のクッションの硬さと、どこからか差し込んでる光と、誰かがぺたぺた歩いている音で意識が覚醒しだした。鼻歌が聞こえて、ああ、Aの家だったここは、なんて昨晩の記憶が蘇る。
目を開けて、ソファから少し起き上がるように、周りを見渡せば、キッチンに立つAの姿。なんか作ってんのかな。
『あ、起きた？朝ごはん食べて帰るよねー？』
「んー、そうする」
『はーい、昨日また祥彰に連れてきてもらっちゃったよね？ありがとうございますーほんとに毎度』
「反省してないじゃん」
『だって、祥彰といるとどれだけ酔っ払っても、絶対家に帰れるんだもん』
道で起きたりしたら嫌じゃん！なんて話す彼女は、恐らく全く反省する気はないし、まあ僕も毎度こうやって彼女の朝食を食べられるのは、少し楽しみなのだけれど。
だって、これ食べれるのきっと彼氏か僕くらいでしょ？知らないけど。キッチンから聞こえる卵を溶く音とか、何かを焼いている音とか、フルーツを摘んでる姿とか、全部ずっと見ていたくなってしまう。
「もうすぐできるよ？顔洗ってくれば？」
『ん、』
「タオル、棚の2段目にあるー！使ったら洗濯機入れといてー！」
『はあい』
顔を洗って、綺麗に積まれたタオルの1番上をとって。あ、前来た時は歯ブラシ2本だったのに1本になってるな、とか余計なところまで目に入れてしまって。
言われた通りタオルを洗濯機の中に放り込んで、リビングに戻ればテーブルに並べられた朝食に、ちょっとだけ顔が緩んで。
「おいしそう」
『でっしょー！朝ごはんがちゃんとしてると、1日上手くいきそうじゃない？』
「たしかに。僕こんなちゃんとしたのを食べるのAの家くらいだよ」
『えー！だめだよ、ちゃんと食べなー？』
2人でテーブルを挟んで食べながら話すことが嬉しくて、やっぱりこのままでもいいかな、なんていつもこの時間にこの気持ちになってしまう。
流れでAに今日の予定を聞けば、何もないと言うので、じゃあ少しゆっくりして昼過ぎにこの家を出ようかな、なんて。
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エンスイ(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます！数字が入っているのは私もお気に入りで、そんな風に感想いただけると非常に嬉しいです！短編集もお付き合いいただけると幸いです……！ (2021年2月22日 2時) (
レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
るる - すっごくおもしろかったです！毎回数字が題名に入ってるのが好きです。短編集も読みます！ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 253053fedc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年2月8日 14時
