ほんの一瞬の幸せ ページ30
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ライブが終わった。
拍手に包まれて、見送られた場所だった。
泣いてくれるお客さんもいて、ほんとに恵まれた場所だった、なんて。
最後終わってしまえば、やり切った感覚しかなく。
そこからのことはあまりはっきりと覚えていない。
打ち上げは、後日ゆっくりしよう、なんて話だったから、シャワーを浴びて着替えて、スタッフさんたちに最後の挨拶をして。
マネージャーの車に揺られながら、家路に着く。
マネージャーにも感謝の言葉を伝えて。
また、なんて言葉と共に、車を降りて。
エレベーターを上がって、自宅の鍵を開けて。
扉が閉まった瞬間。
突然、全てが終わった感覚に包まれる。
流れてくるこの涙は、何の涙か。
全てが終わったことへの安心か、
みんなへの感謝の気持ちか、
もうみんなに会えないことへの悲しさか、
ステージに立った最後の感覚のままか、
全ての気持ちが混じって、玄関で座り込んで声をあげて泣いた。
「おかえり、おつかれさま」
突然上から聞こえた声に顔をあげれば。
優しく微笑んだ拳くんが立っていて。
そのまましゃがんで、私の頭に手のひらのぽんと乗せて。
拳くんの顔を見たら、余計に涙が出てきて。
優しく抱きしめてくれるその腕の中で。
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エンスイ(プロフ) - しほうさん» コメントありがとうございます…！fkrさんも主人公もどちらも好きでいてくださるコメントでとてもありがたいです(T_T ) 読んでいただきありがとうございました！ (2021年4月21日 14時) (
レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
しほう(プロフ) - めちゃっくちゃ面白かったです。fkrさんの優しさやある種の男らしさ、主人公さんの覚悟に胸がぎゅうっとにりました。読後の余韻がすごい…。素敵な作品を、どうもありがとうございました。 (2021年4月21日 10時) (レス) id: 5a9db02a2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年1月28日 0時
