戻る道 ページ12
｢もし、大丈夫なら、広間に戻りませんか？｣
言ってから少し後悔した。怒ってないと言ったとはいえ、あの後で少女が戻れるとは限らないのだ。
｢うん。いいよ。｣
意外にあっさりしていた。であった当初のあの怯えようは一体何処へ行ったのか。
しかし、始終怯えられるよりはよっぽどましだろう。それに、少しは心を開いてくれたのだろう。いい方向に向かっているのに変わりはない
｢では、参りましょうか。｣
離れから今度は二人で歩き出す。
先程は無言だったが、会話が少しだができた。
｢審神者様は、おいくつですか？｣
｢6歳。……きつねさんは？｣
｢え……。………貴女様が生まれるずっと前からですよ。｣
年齢など気にしたことがなかった。生まれたのは何時なのだろうか。
｢長生き、なの？｣
｢まぁ、そうですね。刀剣男士の皆様もとっっても長生きなんですよ。1000年生きている男士もいるんですよ。｣
｢すごいね。私よりもずっと長生きさんだね。｣
不思議だ。あんなに怯えていた少女が、短時間でこんなに喋ったりするものだろうか？
否、ここの刀剣男士みてのとおり、個人差はあれど簡単に心を開くことはない。
生まれた疑問はどんどんと膨らんでいく。
｢………審神者様。先程は、あんなに怯えていたのに、本当に、もう大丈夫なのですか？｣
｢…うん。あのね、さっき怖がっちゃったのはね、…ここがすごい暗くて、怖かったのと、とうけん、だんし？の人がおっきくて、私のね、……お父、さん、を思い出しちゃったから、なの。ほんとは、いい人たちだってわかるんだけど、怖く、なっちゃって。だから、きつねさんは、平気なの。｣
あまり、聞かない方が良かったかもしれない。
そう思いつつも、自分がきつね型の式神で良かったと安心したような、誇らしいような、気持ちになっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 693人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華音(プロフ) - 初めまして！！刀剣乱舞大好きで読ませて頂きました♪終わりの表示になってしまっておりますが｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡もう続きは更新されないのでしょうか? (2022年8月22日 19時) (
レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
キックーノ(プロフ) - ありがとうございます！ゆっくりですが頑張っていきます (2018年10月2日 17時) (レス) id: b023b778d0 (このIDを非表示/違反報告)
ル・カルコル - 夢主ちゃん可愛っ…！勉強などで大変なこともあるかもしれませんが更新頑張ってください！気長にお待ちしていますよ！ (2018年10月1日 9時) (レス) id: b71053a6ff (このIDを非表示/違反報告)
キックーノ(プロフ) - ありがとうございます！返信が遅くなってしまいすみません。いい作品になるよう頑張っていきます。 (2018年8月28日 15時) (レス) id: b023b778d0 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - とても面白くて読みやすいです！これからもがんばってください！ (2018年8月22日 18時) (レス) id: ea11d81977 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キックーノ | 作成日時：2018年6月22日 1時
