夢を見るから明日は来る。 ページ2
「ひな〜元気でなぁ、そんな泣くなって...!」
「は?泣いてませんけど。先輩こそこんなところで油売ってないでさっさと卒業したらどうですか?」
「えぇ〜〜お前いつも以上にアタリ強くない?」
卒業式
ついこの前愛先輩のお兄さんの話を聞いたばかりだと言うのに先輩はそのことを卒業するまで一切口にしようとはしなかった。
それどころか私に気を使わせないように明るく振舞ってくれた。
「よしよし...☆愛先輩はいつでもお前のピンチに駆けつけてあげるからねぇ」
「_______先輩」
「先輩ですよね?今まで遠回しに私のこと守ってくれたの」
私がそう言うと驚いたように目を見開く先輩
「全部、知ってましたよ。この男所帯で女一人の私の為に極力人を遠ざけてくれたのも、私目当てで演劇部に入ろうとした人達を門前払いしたのも、私が学校に残ってるときは用がなくても必ず学校のどこかにいたのも知ってますよ」
愛先輩だけじゃない
朔間零や日々樹渉、日和や凪砂なんかも同じように私を守ってくれた
私はその好意に気づかないほど鈍感ではなかった
「_____気付いてたの、か。」
愛先輩はふわりと微笑んでくしゃくしゃと私の頭を撫でた
「なんだぁ、僕すごく恥ずかしいじゃん。
大事な後輩守るのも先輩の立派なお仕事なのよ、御礼言われることじゃない。当たり前のことをしただけだよ」
「先輩」
「私、自分のやりたいことがあります。そのステージに立ちます。
だから、先輩は先にそのステージで待っていてくださいね」
満面の笑みでそう言うと先輩は一度驚くとすぐにいつもの優しい笑みを浮かべた
「うん、待ってるよ」
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「渉」
「おや、気付いてましたか。ご卒業おめでとうございます!」
「ふふ、ありがとう
...渉、今お前が思っている以上にこの学院は腐敗している。
そんな腐った場所に大事な後輩二人も残して卒業するのは心苦しいんだ」
「おやおや、ちゃんと私も大事な後輩に含まれていましたか...!」
「当たり前だって!....お前ら二人は、これから苦労もするし光に呑まれるかもしれない。」
「いえ、私にそのようなことがあっても“彼女”にはさせませんよ。」
「お前そーゆーとこあるよなぁ、もう本当に卒業したくない....まぁAはお前に任せるとして、
間違ってもこの学院を変えようと思うな。
逃げ切れよ」
「.......覚えていたら、また会おう」
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さくさくぱんだ(プロフ) - 更新を心待ちにしています! (2022年4月9日 19時) (レス) @page39 id: 27ed53f3b6 (このIDを非表示/違反報告)
かみなき主(プロフ) - 何回も読み返してます! いつか気が向いた時にでも良いのでぜひ続きを書いて欲しいです! (2020年6月11日 16時) (レス) id: 8084408f37 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 面白いです!更新待ってます! (2019年12月31日 22時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき姫2(プロフ) - 4話(?)を見て思ったんですけど、なんで奏汰が昔髪が長かったのを知ってたんですか? (2019年4月3日 14時) (レス) id: 618aafe19a (このIDを非表示/違反報告)
フルール・ド・リスしんどい(プロフ) - 悠凪さん» そちらも見ていただいてありがとうございます...!!とても感激です!!!今日常生活でとても忙しくどちらも更新できない状況ですがこれからも頑張りたいと思います!コメントありがとうございます^^* (2017年12月10日 13時) (レス) id: d45fe086f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルール・ド・リスしんどい | 作成日時:2017年11月14日 2時