HERO/3 ページ45
「えっと、音太郎さん」
そう、名前を反復する。変わった名前だなあ。学院には変わった名前の人は多いけど、そもそもこの人は夢ノ咲の生徒なのだろうか？
「音太郎さんはアイドル科……じゃないですよね？どこのクラスですか？」
こんな見た目が奇怪な人、一度みたら忘れないはずだ。つまりは、アイドル科ではない？普通科……にこんなのいるわけないし、となると演劇科とか？
すると、音太郎さんは首を振った。仮面がカタカタ揺れて怖い。
「お、俺は、実はこの学院の生徒ではないんだ」
「えっ！？」
衝撃の事実を、音太郎さんは棒読みに近い口調で言う。マジか、部外者立ち入り禁止では？
「ど、どうやって入ったんですか？」
そう聞くと、音太郎さんは盛大にびくっと震える。「そうだ、それを考えていなかったな……」なんかぶつぶつ言ってる。ちょっと怪しくなって来たぞ。
「まあ、それは良いだろう。それより、俺は部外者だから、この学院のことをよく知らない。だから、お前の隠し事の相談に乗ってやれる」
「エッ、なんで知ってるんですか！？」
隠し事。つまり、ニナの件について音太郎さんは言っているんだろう。……本当になんで知ってるの！？魔法使いなの？エスパーなの？
でも、確かに、knightsの皆以外にも作戦のことを相談出来る人がいたらなあ、なんて思ってた。
音太郎さんは学院の関係者じゃないらしいから、ニナに情報が漏れる心配はないだろう。それに、助けてくれた彼は悪い人ではないはずだ。
「……実は私、転校生の罠にまんまと嵌っちゃって、裏切りものになって」
そういうと、音太郎さんの方から「やはりか……」と、くぐもった声が聞こえてきた。その声音が、ほっとしたような雰囲気だったのは何故だろう？
「それで私は、作戦を立てて……あっ」
言葉の途中、被せるようにベルの音が鳴り響いた。まだ話したいけれど、ここから一年校舎までは遠いから戻らなくてはならない。
「音太郎さん、また今度会えますか？」
日を変えようと伝えると、彼は頷いた。それから真っ直ぐ(といっても仮面をつけているから分からないけど)私を見る。
「ああ、またこの場所で会おう。……俺は、いつでもAの味方だ。何かあれば呼んでくれ」
「お、音太郎さん……！ありがとうございます、またお話聞いてください！！」
ぶんぶん手をふり、彼と別れる。彼は、私がいなくなるまでずっとそこにいた。
……あれ、そういえばなんで私の名前知ってたんだろ？
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とくくくめい - もう、ほんと、この小説の司くんが、まじ愛おしいほど大好きです！！！！！！！この小説に出会えた事が本当幸せです！すごく面白いですハラハラさせられます！！！ (2017年8月19日 17時) (
レス) id: d661f7493a (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - みかん☆さん» いえいえ、コメントありがとうございます！なるほど……そういう発想もありましたか…！！しかし花みたいに綺麗な噂ではないところが欠点です笑 応援ありがとうございました！ (2016年9月22日 18時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
みかん☆ - 鬼龍さん！！火のないところに煙はたたぬとも言いますけど根がなくとも花は咲くとも言いますよ！！(これが言いたかっただけ) 最新のところにコメントじゃなくてすみませんが、更新頑張ってください！応援してます！ (2016年9月22日 15時) (レス) id: 2b73766c3c (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 月永 巡さん» ギャアアアアこちらにもコメントいただいてたんですね…！今気づきましたありがとうございます！！knightsとのじゃれあいは書いてて楽しいです、嬉しいコメント本当に本当にありがとうございます！ (2016年8月29日 16時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
月永 巡(プロフ) - すっっごい好きですこのお話!!!! もっと早く出会いたかったっ...! もうKnightsとの関わりが楽しすぎです(；∀； )!! 大事に読ませていただきますっ(｀；ω；´) (2016年8月25日 21時) (レス) id: f2838a14db (このIDを非表示/違反報告)
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