始動前/1 ページ41
___一方、その頃。
鳴上先輩に呼び出された私は、スタジオまでやってきていた。周りの人影を確認してから、扉を開く。
「おはよーございま」
「Aちゃん!」
入った瞬間、バタバタとかけよってくる鳴上先輩。どうでもいいけど、「おはようございます」の「す」ぐらいはいわせてほしかった。
「どうしたんですか、そんなに慌てて?」
様子がおかしい鳴上先輩に聞いてみると、「やだ、別に慌ててはないわよォ」と返ってきた。慌ててないんかい。ならなんでそんなアワアワしてたんだ。
「Aちゃん、昨日来れなかったでしょ?ちょっと確認してもらいたいものがあってね。これと、これと……」
どさどさ、と鳴上先輩は私の腕の中に大量の……なんだこれ、パンフレット?冊子??を、落としてくる。
「あと……あら!?一枚足りないわ、どこにやったのかしら……ああん、もう!」
「なるくん、落としてる。……ったく、そんなに慌ててもAは逃げないんだから、落ちついてよねぇ」
あ、瀬名先輩。
「いたんですか?ぐうてんもるげん」
「はいおはよう、クソガキ。王さまみたいなこと言わないでよね」
言いながら、一枚のプリントを拾った瀬名先輩は、鳴上先輩に手渡す。ありがと、とウィンクして、彼は私の腕の中にひらりとそれを乗せた。
「えっと、この大量の資料は……ああ、今度のライブのですね!」
プリントの初めに、依頼についてが明記されている。なるほど、ライブについての確認資料を見てほしかったのか。
「後で確認しときます。衣装も近日中にしゅー先輩のとこに取りにいきますんで___」
「いいえ、今確認して頂戴。knightsのライブについて確認しているのを見られたら周りにAちゃんが何を言われるか心配だし、なにより日にちがちょっと怪しいのよ」
「日にちが怪しい?とは?」
首を傾げる私の手の中から、瀬名先輩が一枚プリントを抜き取った。長い指が、無言でプリントの一部を指差す。これはライブの日付……ん?
「……なんか、すごい早くなってません?」
初めに見た日付はもうちょっと余裕があったはずだ。それなのに、間近に変更されている。
「先方との手違いがあったみたいでねぇ。レッスンスケジュールも組み直さなきゃいけないし、衣装も急ピッチで作ってもらわなきゃならない。最悪、当日でもいいけど。会場が遠いからねぇ」
……となると、スケジュールきっつきつだな。ニナについての作戦会議をしている暇もないかもしれない。
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とくくくめい - もう、ほんと、この小説の司くんが、まじ愛おしいほど大好きです!!!!!!!この小説に出会えた事が本当幸せです!すごく面白いですハラハラさせられます!!! (2017年8月19日 17時) (レス) id: d661f7493a (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - みかん☆さん» いえいえ、コメントありがとうございます!なるほど……そういう発想もありましたか…!!しかし花みたいに綺麗な噂ではないところが欠点です笑 応援ありがとうございました! (2016年9月22日 18時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
みかん☆ - 鬼龍さん!!火のないところに煙はたたぬとも言いますけど根がなくとも花は咲くとも言いますよ!!(これが言いたかっただけ) 最新のところにコメントじゃなくてすみませんが、更新頑張ってください!応援してます! (2016年9月22日 15時) (レス) id: 2b73766c3c (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 月永 巡さん» ギャアアアアこちらにもコメントいただいてたんですね…!今気づきましたありがとうございます!!knightsとのじゃれあいは書いてて楽しいです、嬉しいコメント本当に本当にありがとうございます! (2016年8月29日 16時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
月永 巡(プロフ) - すっっごい好きですこのお話!!!! もっと早く出会いたかったっ...! もうKnightsとの関わりが楽しすぎです(;∀; )!! 大事に読ませていただきますっ(`;ω;´) (2016年8月25日 21時) (レス) id: f2838a14db (このIDを非表示/違反報告)
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