13話.覚えていない ページ13
その後、一歩下がって彼の後ろに着いていった。
「…」
ｶﾞﾁｬｯ
…
「…いねぇのか？」
そう呟きながら燕青さんは図書室の電気をつけた。
「いねぇな」
……
「だね」
なんでいないんだ…？
でも図書室の鍵は開いてたんだから朝はいたってことになるよね。それかさっきまでいたか…
…ほかの図書委員の子は、図書室に来ない。いわばサボりだ。たまに来るけど、長時間の滞在はしない。
理由はハイドの存在。みんな、それを恐れている。
「ま、座れ座れ」
「え？」
昨日座っていた椅子に座らされる。
…
「…新シンさんも本読むんですか？」
「いいや？…読まないよぉ」
え…じゃあなんでここに…あ、ハイドに会いに来てる感じかな。
「…燕青」
「え？」
燕青さんの方を見る。彼も私の顔を見た。
「燕青って呼んでくれ」
「え、燕青さん」
「さんは禁止」
「…えっ…燕青…くん」
彼の眉がピクっと動いた。
「ん……何？」
「えっ、呼んでって言ったから…」
「呵呵っそうだな。」
ぽんぽんと頭を撫でられる。
「ひぇ…」
「……あんたいっつも女子力のねェ声出すけどそんな可愛い声も出せるんだなァ？」
「え」
嬉しそうな笑顔を浮かべる燕青くん。
「また1つあんたのこと知れた。」
頬が熱くなるのがわかる。
「…んじゃ、そろそろ…聞いてくれるかい？」
「何を？」
今から何か話すの？
「……燕青って名前に聞き覚え、なかったか？」
「…」
…聞き覚えはある。
「あったけど…」
なんだろう
「覚えてないと？」
「うんっ」
「…そうか。」
彼は私の方を見ながら、寂しそうな表情を見せた。
燕青くんのそんな顔、初めて見た。
「…見る？」
「え？」
何を…？
先程から、話の道筋を見せないように、何かを隠すかのように、私にむけて疑問符付きの言葉紡ぐ彼は、何を考えているのかあまりわからない。
「あんたが誰にも言わないって約束できるのなら、見せてやるけど？」
恐る恐る訪ねてみる。
「何を…？」
「それを言ったら見せる意味がなくなっちまう。」
見ない方が、いいことなのだろうか。
でも、そういうものを見てみたくなるのが人間という生き物だ。
「…できれば、俺とあんたが放課後に会ってることも誰にも言うな。」
「なんで？」
「…うるさいだろ？荊軻たちが。」
なるほど…
「だから…秘密、な？」
Aの唇に人差し指を置いて
彼は甘えるような声でそう言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「学パロ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星彩 - 前から新シン好きだったのでとっても キュンキュンします！更新、楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年4月2日 20時) (
レス) id: 5fad731a9f (このIDを非表示/違反報告)
ＦＧＯ - ああああああああ/////// 読んでて何か、こう、もう、新殺くんに沼りそうですううううううううう///←すでに沼ったヤツ((更新頑張ってください!! (2018年3月31日 15時) (レス) id: bfb6be6799 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - ＦＧＯさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！エミヤ推しなんですか！彼とてもかっこいいですよね…特に原作の彼、惚れますよね…しんどい…。私情ですがエミヤはうちのカルデアに1番来てほしいのに未だに来てくれない子です…。新シンさん沼にハマってどうぞ！更新頑張ります！ (2018年3月29日 21時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
ＦＧＯ - すごく面白いです!!!!!!! 昨日から、読んでいるんですが、すごくキュンキュンしちゃいました!!!!!!!私実はエミヤおしなんですが、これ読んだら、えn…新宿のアサシンも好きになっちゃいました!!!これからも更新頑張ってください!!! (2018年3月29日 17時) (レス) id: bfb6be6799 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヴィア | 作成日時：2018年3月27日 18時
