Sho.S* COLD EMPEROR -The World of Ice- (ページ31)

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このまま手を繋いで。ページ31

「鈴戸、」

「はい、」

「この後出かけるぞ、」

.

会議室から出て、

自分のデスクにあるPCで

メールのチェックをしていたら、

大野さんに、呼ばれた。

.

まだ、確かにお昼すぎだし、

時間はたくさんあるけど、

長居な気がして、どこに行くんですか？と聞いてみる。

.

披露宴の会場に行く、と言った彼は、

デザインのヒントを探すために、

ブライダル社に直にアポを取ったらしかった。

.

「私も、ですか？」

「当たり前じゃん、俺一人で行ってもつまんねーもん。」

「つまんない・・・」

「鈴戸と行けば、カップルみたいでしょ？
んふふ、手ぇ繋いで行くか？」

.

意地悪な顔でそんなことを提案して、

後輩な私は、

困ったように笑って、大野さんの背中を追いかけた。

*

披露宴の会場になる、大きなホテル。

エントランスには、

ブライダル会社の人が、一人いて。

.

軽く挨拶を済ませて、

見学をさせてもらう。

.

渡されたパンフレットに載っている写真に、

どこか見覚えがある気がして首を傾げていたら、

″置いてくぞ″って、

大野さんの声が聞こえて慌てて追いかける。

.

丁度、ブライダルフェアと重なっていたらしく、

披露宴の会場は、

実際つかわれるように綺麗に整えられていたし、

見学に来ている一般の人も、ちらほらいて。

.

あぁ、櫻井さんが見せてきた

パンフレットに載っていた会場だ、

と今更ながらに、それに気づいた。