Sho.S* COLD EMPEROR -The World of Ice- (ページ15)

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何も知らない、忠実なアナタの犬になりましょう。2 ページ15

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「答えろよ、好きだろ？俺のこと、」

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冷たい視線に、耐えられなくて。

思わず目をつぶったら、

腕を握る力が強くなった。

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「ねー、何に勘違いしたの？
あー、あれ？″可愛いよー”って言ったから？」

「・・・」

「それとも、あれ？合コンでキスしたから？」

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ぎりり、と増す痛さに、

思わず目を開けて、つぶやいた。

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「きじゃな・・・っ、」

「えー？なんてー？」

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にこにこと、

笑う彼は、いつもの彼だけど。

目の奥が笑ってないことくらい、私にだって分かった。

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「好きじゃ、ない・・・ですっ、」

「ふーん、そ。」

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解放された腕は、

赤く痕が残っていて。

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そこを、摩ったら、

ぐい、と顔が近づいて、

鼻と鼻の先がくっつきそうで。

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彼は、目を細めて。

冷たい、低い声で言った。

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「お前は、俺に忠実な犬になれ。共犯者になれば・・・」

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″ずっと、可愛がってやるからさ、″

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はい、なんて。

そんな、メチャクチャな要求に

頷くなんて。

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アナタのことが好きです、と

言っているようなもので。

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彼は、私の上で満足そうに笑った後、

さっきからひっきりなしに鳴っている携帯を取って耳にあてた後、

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「ん、今会社出るとこ。
あー、いいよ、俺買ってくるから。うん、先風呂入っとけよ？」

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優しい、甘い声で

きっと、彼の″奥さん″に笑いかけた。

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私があの日、嫌いだと言って。

あなたは、″じゃぁ、吸わないね″と笑ったのに、

あの日が、まるでなかったことのように、

彼は、内ポケットから煙草を取り出して火をつけた。

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つん、とする嫌な匂いと煙が

ゆらゆら、と天井に上って行く。

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あぁ、そうか。

・・・あの日、から。

ううん、最初に会った日から。

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私は、彼に騙されていたんだ。

あの、優しい笑顔と、

優しい言葉と、優しい態度に。

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・・・私は、騙されたんだ。

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