Sho.S* COLD EMPEROR -The World of Ice- (ページ14)

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何も知らない、忠実なアナタの犬になりましょう。ページ14

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終わると思っていたこの関係は、

彼の言葉通り、終わらなくて。

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カフェで話をされた2週間後、

彼と、顔も知らない彼女は結婚したと、

本人から、告げられた。

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彼を好きな気持ちが、

心の奥で渦巻いて、

だけど、こんな気持ち、持っていてはいけないと。

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何度も言い聞かせて、

やっと出した、″おめでとうございます″は、

震えていた。

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私に与えられた、部屋は、

壁と、床以外は、全て黒で。

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ソファも、テーブルも、カーテンも。

黒く覆われたその空間に、

彼は私を身ひとつで移させて、

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「ここが、今日からAちゃんの部屋だから、」

と、やっぱり優しく笑ったけど、

その目の奥は、笑っていなかった。

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初めて私がその家に越してきた日、

仕事帰りだと言う彼は、

私の部屋に寄って来て、

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ソファに腰を下ろしたら、

私を呼んで、

小さな紙を差し出した。

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「招待状、結婚式来る？」

「え・・・」

「来ないの？俺の一生に一度の晴れ舞台、」

「・・・」

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考えておきます、と目を伏せたら、

そ、と興味なさげに言った彼が、

そのまま乱暴にソファの上に私を押し倒して。

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「っきゃ、櫻井、さ・・・」

「お前さぁ・・・」

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彼の胸を押して、

抵抗する素振りを見せたら、

いつもと違う、低い声が聞こえて。

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閉じていた目を開けたら、

冷ややかな目で、私を見下ろしている彼がいて。

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「俺のこと好きなら、もっと楽しませるべきなんじゃないの？」

「え・・・」

「お前、好きだろ。俺のこと、」

「そ、んな・・・」

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あぁ、やっぱり。

今まで見てきた、優しい彼は、

やっぱり。

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仮面をかぶった、

悪魔だったんだ・・・。

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