Sho.S* COLD EMPEROR -The World of Ice- (ページ11)

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あなたに幻想の恋をした。2 ページ11

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「・・・起きた？」

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シーツから顔を出して、

筋肉質な背中を眺めていたら、

不意に振りかえった彼が、煙草をくわえながらこちらに近寄ってきた。

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慣れてないその、

鼻の奥をツンとさせるような匂いに、

きっと私は無意識に顔をしかめたんだと思う。

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あぁ、と目を見開いた彼は、

その火を消して、

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「好きじゃない？煙草、」

「あんまり・・・」

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正直に頷いた私を見て、

く、と笑った彼は、

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「じゃぁ、吸わないね、」

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と、優しく笑った。

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額に掛かる前髪を、

優しく優しく、撫でてくれて。

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その長い指は、

頬に、移動して。

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そのあとは、

唇に、落ちてきた。

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愛されてる。

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″付き合って下さい″なんて、

そんな形式的な告白はなかったけど、

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彼とデートを重ねて、

キスをして、身体を重ねた。

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これは、一般的な恋人がすること、で。

私は、彼を愛してる。

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彼も、私のことを愛してる。

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「まだ、眠い？」

「ううん・・・起きる、」

「うん(笑)せっかく来たんだし、観光しよう？」

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にこにこ、笑う彼が。

私のことを、想ってくれている彼に。

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恋をした。

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