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優しく髪を梳かれる感覚にゆっくりと意識が浮上していく。
重たい瞼を上げれば先程の男性が顔を覗き込んで来ていて、身体が固まった。
「おはよぉA。なかなか起きないから薬強くしすぎたかと思っちゃった」
目が合えば優しく微笑まれる。ソファーの上で膝枕されている事に気付いて慌てて飛び起きて距離をとると、彼は「まだ寝てても良かったのに」と残念そうな表情を浮かべていた。
薄暗い部屋を小さく見渡せばホラーゲームに出てくるような倉庫の中で、1階だけではなく2階にも大量の木箱や段ボールが積まれているのが彼の後ろに見える。
『あ、あなたは誰ですか…なんでこんなこと…』
「あれ、忘れちゃったの?ん〜まぁ数分だったし仕方がないか…」
男性は少し寂しげに言って私の手をとった。
ゾワリと背筋に冷たいものが走り反射的に振り払おうとした瞬間、頭の中の記憶と目の前の光景がリンクする。
そうだ、私はこの人に会っている。
レオスさんと水族館に行く前に声をかけてきた男性だ。
「───っ!」
「あ、思い出してくれた?」
嬉しそうに笑みを深める彼に思わず後ずさるがすぐに肘掛にぶつかって詰め寄られてしまう。
逃げ場がない。冷や汗が止まらない。
必死に逃げる方法を探していれば、彼は私を抱き締めた。
「大丈夫、怖くないよ。……ずっとこうしたかったんだ」
そう言いながら首筋に顔を埋められて寒気が走った。
どうにかして逃げなければと思うも、恐怖で動けずにされるがままになってしまう。
「ふふ……可愛いね……。大丈夫だよ、今は何もしないから。少し説明しようか」
満足したのか身体を離すと、私を安心させるように頭を撫でて話し始めた。
「僕はジノ·バトラー。最初にAの事を知ったのは8ヵ月くらい前だったかな…?友達に君の動画を紹介されてさ、綺麗な歌声に驚いたのを覚えてるよ」
「それからは君の動画を片っ端から見ていった。翻訳文とか切り抜きじゃ満足出来なくてエデンの翻訳機を輸入して…」
「多分、その時は僕もただのファンだったんだ。君の配信を楽しんで、君の幸せが僕の幸せだった…。そんな時に祖父が亡くなってふと小さい頃に聞かされた話を思い出したんだ」
「"奪われた人魚"の話を、さ……」
顎を掴まれ視線を合わせられる。
暗く濁った瞳に見つめられて呼吸が止まりそうになった。
「……あの話が本当なら、君は…僕のものだよね?」
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刹那(せつな) - あ"っ…もう設定から何から全部好きです…(BIG LOVE)edn組のみんなの解像度が凄く高いですし…また更新されるのを楽しみに待っときます！！ (2023年2月19日 20時) (
レス) id: 8ecf7efbd4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - まろなさん» コメントありがとうございます！とても気に入っている作品なのでそう言っていただけて嬉しいです…！更新頑張ります💪 (2022年12月4日 17時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - やなかさん» コメントありがとうございます！まとめてお話を上げたくて停滞気味ですが楽しんで見ていていただけるよう完結まで頑張ります😊 (2022年12月4日 17時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
まろな(プロフ) - 神作…設定諸々神ってらっしゃる…更新楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2022年12月4日 9時) (レス) id: ef3c20ff3f (このIDを非表示/違反報告)
やなか - わあああああ神作に出会ってしまった、、、話の広がり方が面白くて大好きです。更新待ってます！！ (2022年11月30日 11時) (レス) @page25 id: 92ba65462e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作成日時：2022年9月23日 8時
