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しばらく沈黙が続き、疲れから寝てしまったかと様子を伺うと、Aが窓の外を見たまま口を開いた。
『レオスさん、不老不死になりたいって言っていましたよね?』
「え?あぁ……そうですね」
突然の言葉に驚き、思わず彼女の方を見るが視線は合わない。
『…私の故郷では、番になるときに秘薬を交換して飲むことで不老長寿になります。番になった時の姿のまま共に生きていけるんです』
「……」
『レオスさんの望む不老不死ではないんですけど、大きな怪我とかをしなければずっと生きていけます。何も恩返し出来ないまま海に帰るというのは嫌なので…、受け取ってもらえませんか…?』
「それだとAは……」
『大丈夫ですよ、きっと』
やっとこちらを向いたAはへにゃりと笑っていた。
実際不老不死というものを目指していない訳ではないが、海へ帰った彼女の…人魚である彼女の普通の幸せを奪ってまで叶えたいほどの夢ではない。
「…要りません」
『え……』
「私には必要ないと言ったんです。不老不死になりたい、というのは"自分で研究したのちになりたい"という事です。私、サイエンティストなので」
『…そうなんですね』
しゅん、と眉を八の字にする彼女には申し訳ないが、こればかりは譲れない。
Aには幸せに暮らして欲しいのだから。
「…まだ着くまでに時間がかかりますから寝ていてください。無理に起きていて疲れて泳げませんなんて事になったら大変ですから。まめねこなんかもう熟睡していますし」
『はい…』
「着いたら起こしますよ、おやすみなさい」
『ありがとうございます。レオスさん…』
そう言うと彼女はまめねこを抱き締めるようにして目を閉じる。
一緒に生きてくれ、とは口が裂けても言えなかった。
Aが陸の世界に居る限り所長は執念深く追ってくるだろうし、彼女には彼女の世界がある。
思い続けるのは私だけで十分だ。
時折彼女の寝顔を横目に見ながらも、ただ目的地までの運転に集中して夜道を走るのだった。
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豆腐の凉宮 - 泣けるううううう所長ゆるさんんん (6月11日 23時) (
レス) @page50 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 匿。さん» コメント、嬉しいお言葉ありがとうございます🙇✨!!次作も楽しんでいただけるよう頑張ります💪 (2022年6月4日 15時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
匿。(プロフ) - 完結おめでとうございます！話の内容はもちろん、文章の書き方や描写の表現がとても素敵で大好きです！話の最後の方は思わず目が潤んでしまいました､､､。次作も楽しみにしています✨ (2022年6月3日 23時) (レス) @page50 id: 8c41784542 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ソラさん» ありがとうございます✨ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2022年3月23日 12時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 文体が大好きです！これからも応援してます𖤐´- (2022年3月22日 22時) (レス) @page18 id: 1472b690a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作成日時：2022年3月11日 9時
