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当たり前のようにAにひっついてきたまめねこを彼女と一緒に助手席に乗せ、車を発進させる。
深夜ということもあり車通りは少なく、セットしておいたカーナビ通りに道を進んで行く。
「アイツがいつ起きるか分からないので、少し飛ばしますよ。それと…可能であれば先程の状況を説明してくれますか？」
『……はい』
そう言うとAはポツリポツリと話し出した。
『バスタブで寝ていたら、急にあの人が来て…夜に来たのは初めてだったので驚いていたら話があるからってバスタブから出されたんです……。その…私の回復力が凄かったみたいでもっと検体が欲しいって……。そ、それと………』
「それと?」
『その………、人魚と人間の子どもが産まれたらきっと素晴らしい結果が得られるはずだからきょ、協力しろ、と……』
「は……?!」
予想外の言葉にハンドル操作を誤りそうになる。
なんとか持ち直して安全運転に努めながら、彼女の方を横目に見ると俯いていた。
『研究素材も増えるし、生体も調べられるから一石二鳥だって言われて押し倒されそうになって……こ、怖くて花瓶で殴っちゃいました……』
「そういう事でしたか……」
所長の姿を思い出してはは、と乾いた笑いを浮かべたが内心怒り狂っていた。
間一髪助けられたから良かったものの、自分の不甲斐なさとあんな奴が手を出しかけた事が酷く腹立たしい。彼女が無事だった事が唯一の救いだ。
「本当に、怖い思いをさせましたね」
『いえ、助けに来てくれてありがとうございます。……でも』
『レオスさんの生活をめちゃくちゃにしてしまってごめんなさい……』
震える小さな声に赤信号で車を停めた私は、彼女の頬に手を当てて目を真っ直ぐに見つめた。
「私があなたを選んだんです。私の生活なんてどうだっていいんですよ」
『レオスさん……』
「それよりも、Aの方がずっと大切ですから。だから気にしないでください」
青になった信号を確認して再びアクセルを踏み込んだ。
少しだけ照れ臭くなって、前を向いたまま話しかける。
「……これからの事を考えましょう。以前暖かい海に住んでいた、と聞いたのでそちらへ出れるであろう海洋に向かってはいますが」
『えっ……』
「どうかしましたか?」
『い、いえっ!凄く嬉しいです』
そう言って黙った彼女は窓の外の景色を見つめていた。
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豆腐の凉宮 - 泣けるううううう所長ゆるさんんん (6月11日 23時) (
レス) @page50 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 匿。さん» コメント、嬉しいお言葉ありがとうございます🙇✨!!次作も楽しんでいただけるよう頑張ります💪 (2022年6月4日 15時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
匿。(プロフ) - 完結おめでとうございます！話の内容はもちろん、文章の書き方や描写の表現がとても素敵で大好きです！話の最後の方は思わず目が潤んでしまいました､､､。次作も楽しみにしています✨ (2022年6月3日 23時) (レス) @page50 id: 8c41784542 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ソラさん» ありがとうございます✨ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2022年3月23日 12時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 文体が大好きです！これからも応援してます𖤐´- (2022年3月22日 22時) (レス) @page18 id: 1472b690a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作成日時：2022年3月11日 9時
