↓ ページ11
Aは文字を書きながら『レオスさんがくれた名前気に入っているんです』と言った。
「それは名付け親冥利に尽きますが…、本当の名前もありますよね?よかったのですか?」
話せるのだから本来の名前を伝える事は造作もないだろう。
今の名前を気に入っていると言う発言に疑問を抱いた。
『海の中での名前は言わない事にしてるんです、何があるかわからないから…。
研究所に売られてからはずっと番号で呼ばれていたので、レオスさんがちゃんとした名前をくれたのが凄く嬉しいです』
少し頬を染めながら照れくさそうにAは笑う。
賢いのか賢くないのか、不思議な性格だ。
『そういえば、何でAなんですか?』
「何でと言われましても…」
音の響きだとか可愛らしさからの直感だとか、そんな事を考えながら名付けたとはなかなかに恥ずかしくて言いがたい。
「まあ…適当に、ですねぇ」
真意をはぐらかした発言にガーンと効果音が出そうなくらいAは落ち込んでしまって、まずい、と直感的に思った。
何か話題を変えなくては。
「ま、まぁそれはさておき、何故文字を覚えようと思ったんですか?」
『レオスさんに手紙を書こうと思いまして!』
得意気に言うAに、ギュウっと身体が締め付けられたような感覚に陥る。
何だこの可愛らしい生物は…??と脳がバグって言葉が出ない。
『流石に2ヶ月だと覚えられないと思うので、ちゃんと書けるようになったら送りますね!優しい人がいる研究所だといいんですけど…、でも、絶対送ります!』
「A、そろそろオーバーキルになるので止めて下さい…」
おーばーきる…??と頭にハテナを浮かべる姿さえ愛おしい。
出会ってから1週間、なかなかに懐いてくれているAに特別な感情が芽生えている事には気づいていた。
この感情は、まさか…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
豆腐の凉宮 - 泣けるううううう所長ゆるさんんん (6月11日 23時) (
レス) @page50 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 匿。さん» コメント、嬉しいお言葉ありがとうございます🙇✨!!次作も楽しんでいただけるよう頑張ります💪 (2022年6月4日 15時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
匿。(プロフ) - 完結おめでとうございます！話の内容はもちろん、文章の書き方や描写の表現がとても素敵で大好きです！話の最後の方は思わず目が潤んでしまいました､､､。次作も楽しみにしています✨ (2022年6月3日 23時) (レス) @page50 id: 8c41784542 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - ソラさん» ありがとうございます✨ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2022年3月23日 12時) (レス) id: 0a5bfdbc79 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 文体が大好きです！これからも応援してます𖤐´- (2022年3月22日 22時) (レス) @page18 id: 1472b690a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユナ | 作成日時：2022年3月11日 9時
