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いぬと歩けば ページ11

「わんぱちの散歩?」

「そう…今日散歩の時間までに帰れそうになくて…」

「ええよ!じゃあ代わりに行くわな」

「本当にごめんね、ありがとう」


そう通話が切れる。
Aちゃんからの頼み事、無事こなしてやろう。
例え…あまり仲が宜しくなくても…




首輪につけるリードを持って彼が今いるであろう部屋に入る。


「……わんぱち〜…?」


部屋に入ると今か今かと散歩を待ちわびている大きなハスキー犬が座っていた。舌を出してへっへっ…って嬉しそうに待っていたが俺を見つけた瞬間にドアの前から去っていった。



「………………は?」



なんやこの犬…分かりやすくしっぽ垂らして…
まるで求めてたのはお前じゃないみたいな。いや確かに!基本Aちゃんが散歩してるって聞いたけども!!

こんな分かりやすいもんなんか…?普通は…と思い浮かぶうらたんの所のあきちゃん。



「あの子は…子犬やもんな………」



いやわんぱち…お前は…3歳やったな…………お前Aちゃん大好きやもんなぁ。よーしよしよしえらいえらい。
さっさと首輪に金具をつけて、お散歩用の道具一式を持つ。未だに不服そうなわんぱちを連れてお散歩を始める。



「……単純なヤツやな……お前…………」



いざ外に出てみると先程まで項垂れたわんぱちの姿はどこへやら…楽しそうにしっぽを振って前を歩く。物凄い力で俺を引っ張りながら。



「すげぇ、あの犬デケェ…」

「見ろよ、あのお兄さんすげぇでけぇのに引っ張られてるぜ…」



ちょうど下校してきたであろう男子小学生とかにすっごい見られる。



「センラが犬に引っ張られてんのうける」


「よし、うらさん晒そうや」



そして下校中の男子小学生達に交じって大人が2人こちらにスマホを向けて笑っている。

お前らは何でおんねん。





「なんか、面白いことが起きる予感がしてな…紫桜家にお邪魔する予定だったんだよ」

「は?」

「Aちゃん通してお母さんには許可済みやで!」

「は??」

「この後志麻くんも来るよ」

「は???」



また浦島坂田船集合か……Aちゃんよそよそしくなるやつやん…。くぅんとわんぱちが鳴いたかと思ったらうらたんに頭を突き出して撫でろと催促していた。んやねんこいつ…

・→←最推しが関わると



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作者名:朔間 | 作成日時:2022年4月9日 14時

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